版画工房体験談その3

工房体験第3回目。
二版目は青いインコに緑の葉っぱ重ねるつもりが…
ぎゃ〜緑濃すぎ〜で、大失敗(右下)
次からは、薄めました〜。

先生と隣のプレス機でリトグラフを制作中のおじ様との雑談で、いろいろ面白いことが分かりました。
とき墨は、水墨画のように色を重ねても、製版したら意外とその通りには濃淡は出ない…
そのさじ加減は、経験から悟るしかないとのこと(^_^;)
「じゃあ、描きまくって刷りまくるしかないんですね」との私の問いに先生は…
「アルミ板って、そんなに安くないよ〜刷りまくるなら、石板で描いて、失敗したらどんどん削るってのがいいかも…でも、石板って大きい石は最初は何十万だけどね」
おいおい、やっぱし、リトグラフって、面倒くさいなぁ〜
しかも木版みたいに手で摺れないし…リト用のプレス機って、個人で買えないし、買えるお金があったとしても、設置する家がない(重いので床の補強は必要かと…)

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あと、リトはヨーロッパで発展した版画技術だから、ヨーロッパで刷った方がキレイに仕上がるらしい。
水が違うとか。
「じゃあ、ミネラルウォーターで刷ったらいいんですね」と私が言うと、
「いやぁ、試したけど、あんまり変わらなかったかも」と先生。
ん?じゃあ湿度の問題か?
まぁ、先生曰く、アーティストとかは純粋な水をわざわざ使用する人もいるし、美大の先生とかで、水をいろいろ変えてデータとってる人もいるかもしれないけど、私は、そういうもんで勝負しようとは思ってないから!
リトグラフは、化学反応を利用する版画技法ですが、科学を制しても、表現力を磨かんことにはどーにもならんわよね(^◇^;)

版画工房体験談その2

前回、描画が終わった段階で、写真を撮っておけばよかったのですが…
まるで絵を描くように版画ができるというリトグラフですが、当たり前のことですが、絵に描いた通りには線が出ません…あらら…

どういうことかというと、解墨など、あたかも水墨画のように描けたけど、絵を描く時のように何度も重ねちゃうと、実際に刷った時にはべた塗りっぽくなってしまいます。
上手く水彩画のようなにじみを版画上で再現するには経験が必要だとか。

そんなこんなで、私が刷った一版目はこんな感じ。
手描きの絵みたいだけど、これ、刷った版画。
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これに、背景の第二版を重ねるとどうなるんだろう。
何色で刷ろうか思案中。

版画工房体験談その1

昨年、消しゴムハンコにはまり、だんだん彫るスピードが速くなるにつれ、複雑な版画をやりたくなりました。
最初に手を出したのが木版画。
小学生の頃、大抵の人が経験したあれです。
しかしながら、これは、彫り残したところが紙に写るという凸版なので、白い紙に黒い細い線をそう何本も綺麗に描き写せるわけではない…
もちろん、浮世絵の彫り師さんともなれば、一ミリに七本の髪が彫れる名人もいたというけど、現在の一流の彫り師さんでも五、六本が限界かな~とかいう世界。

私が表現したいのは、鳥の羽根の質感、動物の毛並みの質感。
じゃあ、最初から絵を描けよって話になりそうですが、絵は描いたそのまんまが作品になるけど、版画は摺ってみないと、何が出るか分からねぇというところが楽しい。
そんな私のワガママが叶う版画はないものだろうか…

版画の知識が浅い人に向けて簡単に説明すると、版画は大ざっぱに、凸版、凹版、平版、孔版の四種類。

木版画などの凸版は、版木に彫刻刀などで彫って凹凸をつけて、彫り残した部分(凸部)に顔料をのせて、上から摺り紙をのせ、こすりだす技法です。
銅版画などの凹版は、凸版とは対照的に、銅板の彫った溝(凹部)に顔料をねじ込んで、上からプレス機で圧力をかけて刷りだす技法です。
シルクスクリーンやステンシルなどの孔版は、基本的に、版に穴(孔)を作って、そこから下にインクを落とす技法です。

そして、お待たせしました!
私が体験した「リトグラフ」ですが、平版という技法は、上記三種類とは異なって、版に傷をつけません。
無傷で平らな版で、なぜ刷れるのか?というと、水と油の反発を利用するためです。
つまり、絵を描くノリで版画ができるということらしい。
でも、おっきな専用のプレス機で圧力をかけないといけません…

お~!!!
それは、試すしかないではありませんか!

そこで、行ってきました、版画工房の体験コース。
まずは、他人の作業を見学。
土曜日だったので、おじさまとかもせっせと銅板を彫っていらっしゃいました。
そのうち、私の視線は、リトグラフを体験中の若い女の子二人組にくぎ付け!
かわいい~(おいおい、そこかい!)

彼女たちの職業はデザイナー
日々、パソコンでデザインを仕上げているそうで、プリントアウトされたデザイン画は、つるつるの紙に平淡な色で浮かび上がるだけ。
だから、身体を動かして、刷り上げることが本当に楽しいらしい。
確かに、作品の色を重ねた部分は、盛り上がりもあれば、意外な色彩効果がある。

しかし、個人的に難点なのは、オイル系のインクを落としたりするのに、ガソリンとか使うので、工房は換気をしていても、苦手なニオイが漂う…
デザイナーのお嬢さんは、普段はペン画などを描いているせいか、油性インクを扱うのに余り慣れていないらしく、手がインクで真っ赤…
それを落とそうといろいろやったもんだから、余計に血みどろ…(^^;
「ガソリン臭を振りまきながら、電車乗って、手が真っ赤って、ヤバいよ~」と笑いまくり。
もちろん、後で工房のお兄さんに、落としてもらって、だいぶ綺麗に落ちましたけどね。
ううむ…私も不器用だけど、お譲ちゃん、あんなに綺麗なデザイン画が描けるほど器用なのに、インクを盛りながら、なんであんなに手が汚れちゃうのか、すっごく不思議ですけど。

お嬢さん方の体験を見学した後は、お金払って、自分の体験スタート。
アルミ板に油性系のペンで描画するのですが、クレヨンみたいな描き心地。
それから解墨を使うと、水墨画のようなタッチで絵が描けますが、この濃淡、刷った時にどこまで出てくれるんでしょうねぇ…

「版画は、イラストとか油絵とかと違って、上手く描けなくても、刷り上がった時に、なんとなく味が出るから、気楽に描いちゃって~」とお兄さんに励まされ、インコの絵を描いてみたものの…
二つの版を使って、二色刷りをやるのですが、どう重なって、どういう効果がでるのかさっぱり分からんので、本当にデタラメ描いてしまいました。
わ~ん、もっと丁寧に下描きを描いてこればよかった~

ちなみにリトグラフで使う版は、昔は石灰石を使ったそうですが、重いし高価だから、今時、あまり使われません。
ヨーロッパでは、かつて、この方法で楽譜を刷っていたらしいですね。
わはは、試しに、三味線譜をリトグラフで刷ってみればよかったかな~
よく使われる版が、アルミだそうです。
全部で四回で終了する体験ですが、どうなることやら…