やっぱり三下がりが好き

三味線の調弦で「三下がり」というのがあります。
私はこの調弦の響きが大好きです。
今日、三下がりの曲ばかり練習していたら、棹にハエがとまって動きませんでした。
ううむ…私が下手だからからかいに来たのか?
それとも、この響きの振動がたまらなく身体のツボに効くのか?

「三下がり」というのは、
例えば一の糸(一番太い糸)をCに合わせるとすると、
一の糸C、二の糸F、三の糸オクターブ高いCと合わせるのが「本調子」。
そこから三の糸(一番細い糸)を一音下げてCFB♭にするのが「三下がり」です。
ちなみにCGCは二の糸が一音上がるので「二上がり」といいます。
私はチューナーなしで合わせる時は、蛍の光を口ずさんでいます…
出だしがCFFF・・・なので(^^;
現代の中国大三弦は、三味線調弦で言うところの「二上がり」で調弦してGDGです。
三味線とコラボする時等はAEAと上げることもあるみたいですが…。

私が最初に教えてもらった曲といえば、「津軽じょんから節(旧節)」ですが、これは「二上がり」ですね。
(よく、コンクールとかで皆がバンバン弾くようなやつではなくて、初心者でも弾ける簡単なじょんからの伴奏があるのです)
当時、三味線の先生に「何故、じょんからは二上がりなの?」と聞いたら、「他の調弦じゃ弾きにくいでしょう?」という演奏家らしいかなり現実的な回答が返ってきました(^^;
中国三弦という楽器は今ではマイナーな楽器になってしまいましたが、歴史的には様々な音楽に使われてきた楽器なので、伝統的な音楽の調弦はいろいろあるみたいです。
でも、「三下がり」があるのかどうかはよく知りません…
調弦というのも、調べるといろいろあるのでしょうね。

私があんまり嬉しそうに三味線を弾いているので、私の譜面を「チョット貸してよ」と私の脳内に住む双子の姉(!?)が奪い取り、中国三弦で弾いてくれました。

音源コレ↓
「中国三弦で弾いてみた民謡」

妹だから遠慮なく言うけど、民謡っぽくないよ、コレ(^^;
しかも、ドがつく下手くそ。
いくら三味線より棹が長くて上のポジションのツボとツボの間の距離が長いとはいえ…
あんた、手も大きいし指も長いでしょ!
うーん…中国三弦は爪弾きなので押し撥出来ないしなぁ。
日本の曲を美しく移植するって本当に難しいね。

二胡の民謡調ビブラート

どういう練習をしたら、二胡のビブラートが効率的に身につけられるかという解説をしてくれる本や先生は意外と少ない…
多くの天才肌の演奏家や先生は、そのうちできるようになるとしか言わないでしょうね。
ある二胡の先生のブログが面白いのでたまに読んでます。
そこの記事で、演歌、あるいは民謡みたいなビブラートという表現が出てきて、すごーくマスターしたくなりました。
これは二胡のビブラートのうち、一般的なものではないと思いますが、面白そうだな〜と。

冗談抜きで、私、三味線伴奏付きで、津軽民謡を二胡で唄ってみたいのですよ。
二胡がうまく弾けるようになったあかつきには、どなたか兄弟子先生に伴奏していただきたい…真面目な話。
だって自分自身が唄うには、声は低めで全然綺麗じゃないし、肺活量が超少なくて無理無理だから。
もっとも三味線の練習中は自分で唄いながら弾いてますが他人が聞いたら笑っちゃう発声と音程(^◇^;)
聞きたくなくても聞こえちゃった先生と家族だけが知っている…
ほんと、哀しい…

大人の二胡

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音色を言語表現できないもどかしさ

音色という抽象的なものを言語化するのは難しいですね。
音楽一家に生まれた人とか、3,4歳頃から音楽英才教育を受けた人は、その生きて来た世界でのスタンダードとされてきた音を自然に「いい音」と定義して記憶していくのだろうけど、そうでない私みたいな人は、正直、「何がいい音なのか」は分からないです。
それは、国や文化による差もあるからね。
音楽は共通の言語だみたいな言い方は嫌いです(^^;;
そんなわけないやろ。
まぁ、ライブで言葉通じなくても一緒に盛り上がれるみたいな意味なのでしょうけど、言葉と一緒で、本当に分からない人には分からないですよ。

さて、「いい音」が分からない私も、正確にはある程度「音色の違い」は分かります。

一番、困るのは、先生にどっちの音が好き?とか、この音色とこの音色の違い、分かる?って聞かれることですねぇ。
何となく違いは分かっても、先生方と同じフィールドで生きてこなかった私は、先生との共通の言語がありません。
なんと説明したら、先生が私の言わんとすることを半分以上理解してくれるのか察しもつかない…。
私が期待外れの受け答えしたら、先生は私のこと音色の違いも分からない才能ないやつ、あるいはセンスないやつ、ってことになるんでしょうね。

先日、三味線の先生に、こっちとこっち、どっち好き?って聞かれました。
あはは〜結果として、私が好きって言った方の楽器の方が安かったです(^^;;
(それでも、私の楽器が数本買えるけど…)
別に先生はそれが心外という感じでもなさそうで、そっちが好きという人が稀というわけでもなさそうだったのですが、本当はどう答えて欲しかったんだろう…
それとも単純に、最近は一般的にどういう世代、どういう層の人間にどういう音色がウケるのか知りたかっただけなのかな。

大勢多数の人に合わせるのがフツーの人間が社会を生き抜くコツですから、他人だったら、どっちを選ぶだろうというのをまず考え無いといけません。
それをうっかり忘れて、私ルールでもの言ったり、行動すると変人になります。
才能や権力ある人だけが我が道を行く権利、意見を言えるわけですから。
いつも思うのは、外国人や芸術系の大学出たような人は、そんなこと考えないんですよね。
皆さん、場合によっては根拠のない自信に満ち溢れています。
羨ましいです。

ぶっちゃけ、私は安い方の楽器の音色を好きと思うこともあるし、クリアでない音の方がいいと思うこともあります。
一般的に私はぼんやりした音の方が好きみたいなんですよね。
柔らかさや温もり、かわいらしさ、親しみやすさを感じるからです。
私の言う「かわいい」音っていう表現も、人によって受け取り方がまちまちで、本当に言葉って不便だと思います。