第五回中国音楽愛好者の集い

「第五回 中国音楽愛好者の集い」という東日本大震災復興支援イベント、すなわち、演奏者も聴衆も参加する人は、募金するというイベントに参加してくる予定です。
収益の中から、ホール代等の必要経費を除いた全額を、直接被災地に役立つ方法 で寄付とのことで、予定寄付先はNPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)の「福島原 発震災の被災者支援」です。

今回は、参加グループ(ソロも1と数える)31、参加人数延べ131名となり、前回より少し増えたそうです。
楽器は、日本では当然ながら、二胡がいちばん多く、琵琶、中阮、古箏、笛子、笙、揚琴、大三弦、中阮、打楽器、ピアノ等もあるそうです。
メンバーが最も多いグループは13名だそうです。

日時場所は、
2015年10月25日(日)13:00開演 19:00終演予定
大田文化の森ホール(JR京浜東北線「大森」駅中央口より徒歩15分、バス3駅)
入場料無料…ですが来場者にできれば1000円以上の募金をお願いしております。

私の出番は、17:55〜18:00位の予定。
リハなどがあるので、朝の9時集合なんだけど、長丁場〜〜
体力持つかしらん…自分の演奏の番が回ってきた頃には、フラフラで指と頭が回らんかったらどうしよう(^_^;)
誰かとデュオやトリオやってみたかったんだけど、気軽に声かけられる実力同程度のお友達もなくソロでエントリーしました。
来年は、津軽三味線とかと合奏してみたいな(西洋楽器や和楽器と合奏するのはOKらしい)

これから二胡とか習おうかと思ってる人、ちらっと覗くと、出場されている教室やサークルの雰囲気分かって、教室選びの参考になるかもしれませんよ。

何せ長いので、全部聴くのはしんどいと思いますから、お知り合いの演奏を聞かれたら帰っちゃう人とかもいて、曲間にこっそり出入りすればOKです。
一昨年だったか、隣に座ってた人は、ボソッと「もう、あたし、玄界灘〜」とかおっしゃってました(笑)

お近くでお時間のある方は是非(^ ^)

大きい鼓と小さい鼓

daguxiaogu
これ、二つとも中国大三弦です。
おやおや、大きさ違いません?
太鼓の部分に注目!
上が俗に大鼓、下が小鼓と言います。
100年前の中国三弦なんて、演奏者によって微妙に色々違った規格の三弦が存在したんだろうと思います。
もともと中国は、民族楽器を国際舞台で通用するようにという方向で、あまり伝統を守ろうとかこだわらず、楽器の改良を続けたような気がします。
かつての三弦の棹が長すぎ、その割に太鼓が小さくバランスが悪い、音量がイマイチっていうことで、太鼓を大きくして音量出そうという方向で出現した大鼓が上の写真。
でも、この大鼓、大きいから音量出るかっていうと実はそうでもなく、音量は弾き方次第だし、音色が重いというか落ち着いた感じ。
こういう改良三弦の音色に納得いかず、もともとの小さい太鼓に戻し、棹の長さは大鼓と同じ高さを維持したものが下の写真。
音は、小鼓の方が昔の三弦の音色に近く、明るめの音が出ます。
あと、高音域になると、小鼓の棹の一番高い音は、大鼓では、すでに太鼓の端っこの木枠部分まで侵入しないと出せないってことになります。

三弦弾きさんが、どちらの三弦を使っているか、ぶっちゃけ、誰に師事したかで違います。
また、途中で師事する先生を変えた場合(こういうケースはその大学の系列を抜けても別の大学の系列で不都合なく大学や大学院まで進学できるか分からないので稀ですが、いないわけではありません…)、両方を所持している人もいます。

違いは音色でしょうね。
私は個人的には民族オーケストラで低音域の撥弦楽器が欲しいなら大鼓、三弦の独奏で、民間伝統曲を弾くのなら小鼓、現代曲が弾きたいなら、あんたの好みでいいんじゃない?と思っています。

私は、ここ2年ほど、大鼓は日本、小鼓は中国においてありましたので、二つ並べて写真撮るのは初です。
だって、二胡弾きさんには想像つかないと思うけど、大三弦抱えて、飛行機に乗るの大変よ〜(古筝弾きさんには分かってもらえると思う)

今週の日曜日(2015年7月5日)、新大阪でお友達の発表会に友情出演してきますが、小鼓を使うつもりです。
日本で小鼓を使って、人前で弾くのも初です。
これに出てきます↓

momohara

中国大陸で三味線の話ができるなんて最高でした

もう、二週間ほど前のことになりますが、日本三味線入門と題して、中国の中央音学学院の一室でお話をさせていただく機会がありました。
中央音大といえば、日本でいえば東京芸大みたいなところなので、この大学のホールで演奏した三味線奏者は少なくないでしょうが、講義室で通訳なしの中国語で、お話しできたのは、私みたいな素人では珍しいかもしれません(^_^;)
たまたま、私の中国三弦の先生がここの先生だったこと、私が一応、芸術系学問の博士課程の大学院生という都合上、このような奇跡が起こったわけです。
それと、あたしだって素人なりに、中国三弦と津軽三味線弾けますし、地唄三味線、義太夫三味線は入門体験レッスンしていただいたことありますから、三弦演奏の腕前はイマイチでも、中国人と日本人の奏者が何考えてるのか、理解しやすいため適任だったと思います。

結論から言えば、めっちゃ楽しかったわ〜
だって、聴いてくれた人が全員、先生の教え子、つまり皆さん、中国三弦が上手に弾ける少数の人たちなので、興味津々で聴いてくれるわけですよ。
私は演奏はあがるけど、講義はあんまりあがらないのね。
で、20年近く大学生と大学院生をしてきた私が経験上言えるのは、ゼミ形式ではないほとんどの授業や講義っていうのは、みんな単位のためにしぶしぶ聴いてるだけだから、目がワクワクしてないのがよく分かる(笑)
もっとも、凄い才能ある先生は講義に興味のない学生を自分の話に引っ張り込むのだろうけど、そういう先生は多くはないし、学術的才能と講義をする才能はまた別モノ。

でも、身内ばかりの中で、皆んなも興味のあることを話すって最高。
しかも、皆さん、ちょっと、教えてあげれば、簡単なフレーズをすぐ弾けちゃうの。
もちろん、ちゃんと津軽三味線になってるかどうかというレベルでは、もちろん、なってないわけだけど(それは私のような大多数の素人日本人だって同じ)、コツみたいなものを掴むのがとっても早い。
久しぶりに「せんせい、質問ですが…」とカワイイ音大付属中学生に言われて、なんか嬉しかったなぁ〜(^_^;)

日本では三味線という楽器は比較的世間に知られた楽器だし、素人でも簡単な曲がすぐ弾けるようになるのは、文化譜とかが音高ではなく指の位置を示したものだというのも普及に有利な要素なんだろうなぁと、皆さん、考え込んでおられました。

もっとも、三味線の右手は、五本の指を全て使う必要がないということ、撥を使って弾くので、微妙に的を外しても弦には当たってとりあえず音は出るということ、左手は基本的に人差し指と薬指を使うことで、規則的にポジション移動していくので中指や小指も使って複雑なポジション移動しなくてもいいということ、棹が(中国三弦より)短いということ、難しくない入門用の曲もあるということが、歳をとってから始めても、そこそこ弾けるようになる要因だと私は個人的に思ってます。

さて、一週間後、新大阪でお友達が教えている中国撥弦楽器の発表会に友情出演してきます。
弾く前にちょっと話してと言われているので、5分ほど、中国伝統音楽を弾く上で知ってると役に立つかもという話をしたいと思っています。
中国三弦は、大人から始めた素人が人様に聴かせられる名曲がほとんどないっていうのが苦しいですね(^_^;)
大好きな中国曲を弾くつもりですが、本来なら3分半ぐらいで弾くべき速い曲ですが、私はそんなに速く弾けないし、速く弾こうと焦れば、ロクでもない音色にしかならないので、4分半も使って、せめて、三弦本来の音色が出るように落ち着いて弾こうと思ってます。
でも、「おそっ、ヘッタクソめ」と私の友達でもなんでもない普通の聴衆は思うかもしれないので、もう、割り切るしかないですよね。

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写真は、私の中国三弦の先生がご友人から譲られた戦後間もない頃、上海の骨董屋で売られていた細三味線。
えーなんでヘビカワ〜(^◇^;)
多分、中国の職人さんに猫皮をはる技術がなかったので、ヘビカワで代用したのでしょう。
最初、「これ、沖縄のサンシンってやつ?」と先生に聞かれましたが、この棹の長さでそれはないと思うし、胴の形が三味線そのものだし。
これで、音大生さんが指で弥三郎節を弾いてくれましたが、中華風の弥三郎でした(^_^;)
撥で叩いたら、どんな音だったんだろう…
はり替えたばかりで皮破ったら申し訳ないから、さすがに撥で思いっきり皮を打てませんでした。
講義案を作成するにあたり、お稽古中に話を聞いてくださった津軽三味線小山会の家元先生、本当にありがとうございました。