二胡LESSON90

まずは長弓

私の場合(というか多くの初心者にありがちと思うけど)、拉弓と推弓の折り返し地点が、よろしくないんです。
まぁ、急激にそこで速度が速くなるわけですね。
つまり、手首の使い方の問題です。
まぁ、よく、魚が泳ぐ時の尻尾のようにといわれてますが、ふにゃふにゃ動けばいいってもんでもないんですよね。
これも、教える先生の方針もあると思うので、私が言ってることを鵜呑みしないでくださいね…
まったく、手首がガチガチに固まっている状態じゃ、上手な弓使い出来ないと思います。
でも、いわゆる、魚の尻尾みたくゆらゆら、あるいはふにゃふにゃ、っていうのは、確かに弓の速度が遅い時はそう見えますが、弓の速度が速くなるにつれて、そんなにふにゃふにゃには見えませんね。

おそらく、他人の話等を聞いていると、世の中には、手首を魚の尻尾みたいにとうるさく言う先生と、手首なんてふにゃふにゃ使うな~と言う先生の二種類があるかと思うんです。
でも、どっちの先生もやってることに大差ないような気がするのは私だけかな?

弓を返した時に、音がまったく違和感がないように(一直線に聴こえつづける)というのは、手首がうまく脱力していて、徐々に変化しているんだろうなと思います(上手く書けないね…)。
私の場合は、急にぐにゃっと手首が返るから、そこで速度が変わって音に変化が出てしまうのであります。
そして、快弓くらい速くなってくると、実際、手首は外見的にはほとんど固まっているように見えますが(速いから変化の幅が狭いだけ)、中身はやっぱり手首の力抜けてるんじゃないかなと、私はそういう気がします。

次は音階
盲目の人を見習おうと前回のブログで書いた通り、最近は目をつぶって、練習したりもするので、手の感覚がよくなったせいか、ナナ先生に前よりもポジション移動に違和感なくなったと言われました。
わーい。

そういえば、我が三弦の先生、仁王トシミネ先生は、たまに目をつぶっているか、他ごとをしながら私の演奏を聴いてますね。
視覚によって、余分な情報を入れないためなのでしょうね。
他ごとしてて聴いてないかと思いきや、ちゃんと細かいところ、聴こえてるのがコワイ。
目つぶって動かないから、寝てるのかと思ったら、ず~っと聴いていたりするンです、超コワイ。

賽馬

さぁ、私はこの曲を何カ月やってるんでしょうね~
っていうか、この曲で、ありとあらゆる基礎技術を練習しちゃえってことが多分、ナナ先生の目的なんじゃないかな。
いちおう、メロディ弾けちゃってるから、普通の教室の先生だったら、とっくの昔にOK出して飽きさせないように次の課題曲に行っているような気がする…
今回、新しく出された課題は、57、58小節目、60~68小節目にある頓弓。
多くの趣味の人がテキトーに流しちゃう箇所ですよね。
流しちゃうっていうより、技術不足で、弓が勢いで流れていってしまう、あるいは適当に飛び跳ねていくのでしょうね。
まず一つ目の注意点は、二つの音を同じ弓で推すとき、その二つの音をきっちり均等に出すこと(通常、初心者は後の音が長くなりがち…)
つまり弓の長さが均等であること。
二つ目の注意点は、譜面は8分音符が二つだけど、イメージとしては十六分音符の次に十六分休符が入ると思えということ。
そして、その休符のとき、瞬時に弓は止まっているのだと…
それが一番、雑音が入らずに綺麗に聴こえるのだとか…
「そもそも曲自体、速くて流れがあるので、弓が勢いで滑って、コンマ何秒か止まらないよ~」
と漏らしたら
「それが技術と言うものです」と諭されてしまった(^^;

春詩

ハイ、相変わらず、練習不足でございます。
「次に何の音だっけなんて考えながら弾いてちゃだめよ~」と叱られました。
ハイ、すみませんです。
ハ長調の曲ですが、ハ長調の音階弾く時のような指づかいではなく、ちょっと曲の都合で変則的な指使いをするせいか、とっさに混乱して、違う音弾いちゃったりするンですね…
でも、これもたくさん練習してたら、そんなポカミスしないわな。

「出だしは自由なテンポだから、弾く人によってずいぶん処理の仕方が違うわけで、弾きにくいと思うけど、あなた、リズム感はわりとあるのよね」とナナ先生にほめられ(?)ちゃいました。
…っていうか私は譜面読むのは苦手だけど、聴いて真似するのは好きな方で、で、いろんなバージョンがあれば、一応好きな人のを真似します。
はぁ、まぁ、思えば、他の先生にもリズムで叱られることは少ないような気が…
そりゃそうだわな、どの楽器にせよ、課題曲の音源は、何百回も聴いてるんだから(笑)
仁王トシミネ先生には、初見だと「リズムに気をつけんかい!」としかられるんですけど…歌ってもらうとちゃんと合わせられたりするんですよね(笑)

自分で譜面見てきちんと弾けず、歌ってもらって初めて弾けるなんて、動物ですみませんね、って感じですか(^^;

【余談】
レッスンの進め方として、一つの曲をなが~くじっくり、細かくやるというのと、曲をどんどん仕上げていくというのがあると思います。
往々にして後者は趣味の教室の先生なんかが採る方法かな。
もちろん、後者の方法でも長年やってれば、それなりに上手くなるけど、前者の方法の方が技術は伸びるというのがナナ先生のご見解。
つーか、自分と従姉を比べてみると、そうだったと思うとのこと。
まぁ、他の音楽家もそう言ってたような気がする。
もちろん、趣味でやる場合は、曲のレパートリーも増えないと、発表会とかで弾くものなくなっちゃうし、皆と遊べないから、いろんな曲を弾かせてあげないと気の毒だよね。
ご年配の方とかだと、この先、何年楽しめるか、分かんないし。
身体的機能の関係から、努力したからといって技術が飛躍的に伸びるわけでもあるまいって方もいらっしゃるだろうし…
若くて将来が楽しみな人なら、じっくり育ててあげたらいいんだと思う…
じゃあ、この先どうなるか分らない中年(自分)はどうなんだろうね…
ナナ先生も、ビミョーなんだと思う。
私が真剣なのをご存じだから、なるべく、音大附属受験の子なんかと同じような注意の仕方をするけど、じゃあ、10年後に音大、あるいは師範大の音楽科受けて受かる腕になるかっていうと、そら無理でしょう、って分かってるわけで…

歳とってると、日々の進歩と老化どっちが勝ってるのかビミョ―だ。
10年後は老化がもっと激しくなってるだけだしね…もう脳細胞なんて、毎日死んでる数の方が多いし(笑)

中途半端な生徒でスミマセンって感じですね。

余音を引きずる

私は、現在、3つの楽器を同時に習っていることになるわけですが、これらの楽器に共通する特徴はフレットがないということです。
で、フレットがないゆえに可能な表現といえば、滑音なわけですが、私はこれが聴覚的に大好きなのに、運動能力的に超苦手です。
私の三弦の先生は、「重箱の隅をつつく」という表現が適切なくらい細かいことを指摘して妥協を許さないお方でして、それはホント、しつこいので、ぐったりすることもあるのですが、ある意味、ここまでしつこく悪いところを指摘してくれると、実は他の楽器やってるときも、他の先生は妥協してか(あるいは私が落ち込むのを避けるためにか)、あまり触れないようなことでも、あぁ、同じような悪いところがあると自分で分かって便利でもあります。

で、滑音にはおおざっぱに、二種類あります。
一つが前の音と後の音の間、押さえた指を指板から外さずに滑って、少し高い音(あるいは低い音)の余音を次の音に巻き込む方法です(実滑といいます)
二つ目が、前の音を弾いた後、次の音に移るとき、そのまま指板から指を外さず、余音をリズムに基づいてひっぱってきて、実際にはその音は弾かず、余音だけで出す音というものです(虚滑といいます)

虚滑が連続して続くと大変なことになります。
たとえば、レミ、レミ レミ と弾くとした場合、レはちゃんと弦を弾く、ミは弦を弾かずレの余音だけで出します。
でも、次のレは当然また弾き、ミは余音だけです。
それを早く繰り返すと、ミからレに行くときも、指が指板から離れず、すべて滑った音がつきまとうことになります。
これをトシミネ先生は、「ねばねば」と表現します(^^;
ぬかるみを歩くようだとも言います。泥がくっついて離れないってことですね…

二胡なんかも、指板がないから、いつも必然的に指が弦の上にのっかっているわけですが、
例えば、弓を返さない状態、一弓で、G調の第一ポジション、人差し指だけ使って、外弦ミソ ミソ ミソ…とやって、ミとソは滑って、ソからミに戻るとき滑音をなるべく出さずに弾けますでしょうか?
ゆっくりならともかく、速くなってくると、私はアヤシイです。

三味線はサワリがつくので、きっと余音があって当たり前の状態が多いですし、私の師匠は私に甘いので何かをおっしゃることはないのですが、きっと、めちゃくちゃなスリ方をしていると思います。
っていうか、私はそもそも、三味線には何種類のスリがあるのか知りません(^^;

変な余音を残さないようにするためには、押さえた指をとっさに指板から離して(二胡だとさらにやっかいなのは、弾く系の楽器と違って、右手の弓はずっと擦っている状態ですから、一瞬軽く、右手も力を抜いている瞬間があるはずと思います)、ポジションを異動する必要があります。
でも、きちんとした滑音をだすために、前の音を弾く時は、きちんとした圧力によって指が指板を押さえていないといけないので、その力がとっさにぬけましぇ~ん(;_;)

一体、どうやったら、脱力してポジション移動できるのさぁぁぁ!!!
誰かコツを教えてください。
と叫びたいですが、
聞いても「一年や二年で、悟れるもんじゃないんだよ、気長に練習することだね」という回答しか得られません。
そらそうだな、音大生だって少なくとも10年以上弾いているし、先生に至っては、20年も30年も弾いているわけだとは思うものの、
(しかも、その10年20年は趣味の人とは練習量が違うことも知ってます)
往々にして先生とか演奏家ちゅうものは、優秀な人ほど自分が簡単に出来ちゃったから人にあれこれ教えられないんですよね…
ナナ先生とかは、知らないうちに、いつの間にかできるようになった、としかおっしゃらない。
すごく不器用な人で、天賦の才能に恵まれず、イタイような努力だけで先生になった人、いないんでしょうかね…
↑普通は、本人辛くて途中でやめるし、長い年月、時間とお金のかけられるような環境は普通の人にはないから、いないんでしょうねぇ…

二胡LESSON89

週末はナナ先生は外地(北京の外っていう意味、具体的に何処行ったか知らない)で演奏のお仕事をしていたので、お休み~
月曜日にレッスンに行ってきました。
さっき家に戻ったばかりというナナ先生、ワンちゃん達にご飯をあげていました(二匹をつがいで飼っているので、今、子犬が産まれて四匹います、賑やか)

【長弓】
キーワードは「呼吸」です。
皆さま、当たり前ですけど、よほど具合の悪い時でもない限り、自分が今、息を吐いた、吸ったなんて意識してないですよね。
ゴミを吹き飛ばそうとか、お茶を冷まそうとかしてない限り、ふーふー と故意にやることないと思います。
呼吸するように弓を使うことを目指してくださいと言われました。
ははは…これができたら超一流だよね(^^;
私の三味線の師匠の奥様は二胡奏者ですが、あるとき何かの拍子で二胡の話になって、師匠曰く「カミさんが、『弓を使う時は、目をつぶっていたら、今、推しているのか引いているのか、どこで折り返したかなんて分からないほど、滑らかに弾くことができるのが境地に達している人』だって言ってたな~」
で、試しに目をつぶって、ナナ先生の長弓をしばらく拝聴しましたが、たまに折り返した時、分かるかな。
でも、それは私がナナ先生の音をよく知っているからで、ほんと、まろやか~
ナナ先生の音は絶品のミルクティーを飲んでいる感じだわ~
ちなみに、私の音は温度間違えて、紅茶とミルクが分離しちゃってる飲めたもんじゃね~って感じかしら???

【音階練習】
ポジション移動、下手なんですよね、私。
特に一の指の音を引き終わって、下から上へ(音で言えば高い音から低い音へ)行くときに、次の音を小指が担当する場合。
小指の音は合ってるんですけど(っていうか、耳で聴いて合ってなきゃ調整するくらいの知恵はあります)、実際には虎口(棹に触れている人差し指と親指の間)が元の位置に戻りきっていないので、いつもそそくさと、321と指が戻っていくときに微妙に虎口も上げていきます。
そりゃ、マズイわな。

ここで、ナナ先生のアドバイス
「あなた、音程ばかり気にして、手の感覚を忘れてるでしょ」
これには、はっとしました。
そうなんですよね、私は音程外して人に笑われるのを人一倍気にするタイプなので、とにかく音を合わせようとするあまり、手の動き、手の感覚なんて感じたことないんです。
「目の見えない人ってさ、手触りで何でも当てるし、ものすごく手の感覚が発達してるでしょ?あれ、見習おうよ」
「なるほど~」
「人はとかく視覚と聴覚に影響されやすくて、あなたはまた人一倍、音程気にするから、脳がますます音だけ聴くことに集中して、手がどういう動きしているかなんて言う感覚、覚えてないでしょう?」
そこで、最初は音出さずに(弓ひかずに)、あくまで左手の動きだけの音階練習して、手から余分な力抜けてるなと思えたら、右手の弓も加えてみると、前よりはポジション移動の時に音がブチ切れにくくなっているかもしれないとのことでした。
確かに、実は三弦でも、最初は音出さずに、(右手はお休み、左手もまったく弦を押さえない状態)棹を上下行ったり来たりして撫でてろって言われますものね。
しかし、三味線の先生でそーゆーこと言った人はいないですね。
どうやって彼らは棹の上を自在に滑れるようになったのか、語ってくれませんね。

余談ですが、日本の三味線奏者は一般的に指スリつけてますよね。
人差し指と親指の間に指スリがあれば、棹が滑りやすくなるので、ポジション移動が楽です。
だから、三味線できる人で二胡も弾くという人で、指スリ使用される人もいるらしいとか、ちょっとネットで聞いたんですが…
二胡の棹にパウダーはたいて、滑りやすくするとかいう話も聞いたことありますが…本当?
よほど、激しく速い曲を弾くのでなければ、そこまでする?んて思っちゃいますけど…
ってか、私は普段、三弦弾く時に何も付けないので、三味線もそのまま弾いてることがよくあります。
よく弾けるね、と言われたことありますが、弾けますよ、そりゃ、夏で手が汗でべとべとでない限り、いつもやってることですからね。
でも、これも思うに、指スリをつけない状態は、摩擦抵抗が大きい筈ですから、中国人の方が力を余分に使ってポジション移動してるのかな?
で、普段そういう人が指スリなんてつけたら、滑りすぎちゃうよね(笑)

で、本題に戻りますが、人は見た目が8割とか9割と言われてます。
まず視覚に頼り過ぎてて、そのあと聴力がきて、その他の感覚が物事の判断に使用されるパーセンテージはもっと低いらしいです。
見た目がいいお料理見ると、よほど不味くない限り、「美味しい」と五つ星付けてしまって、実際には舌でどのように感じたかあんまり思い出せない人もいます(お料理関係の職に就いている人は別でしょうけど)
演奏も容姿がいいと、上手そうにみえるので、弾く前から人より余分に10点稼いでいる人もいますよね。
だから見た目が超普通なのに、演奏家や大学の先生になっている人なんて言ったら、そうとう、技術が優れた人なんだよね、とナナ先生は某先生のことを語ってました(笑)。
そんなこんなで、私は手先で感じる「手感」をおろそかにしていることを今更ながら反省しております。

ま、とにかく、私は明日から目が見えない人になります。
北島マヤがヘレンケラーを演じた時に、やった体験学習でもやってみるかな(「ガラスの仮面」というお芝居の世界を描いた漫画です)。

【賽馬】
相変わらず、これ弾いてます。あきてきたぞ~
私はプロの演奏者の演奏を100%のスピードとした場合、せいぜい85%ぐらいでしか弾けませんからね…

【春詩】
練習不足よ~と言われました。ええ、とにかく音符を弾ききるのが精いっぱい。
「春」と言っても、人それぞれ「春」は違うんだから、まずあなたにとっての「春」っていうイメージを先に明確にしてから弾きなさいよね~みたいなこと言われました。

【余談1】
二胡ケース
ナナ先生から、二胡のハードケースを格安で譲ってもらった。
ナナ先生はハードケース持って演奏旅行に行くのは、重すぎてイヤらしい。
まぁ、二胡は割と機内に持ち込めるからねぇ、ハードいらないんだよね。
近々またお引っ越しするそうなので、要らないものを整理している最中とか。
自分が今、メインで使っている二胡もハードケースに入れてるけど、これとナナ先生のハードケース比べてみたら、ナナ先生のケースの方が背負い勝手がいいので、貰って来ました~
私のは背負った時、3点で支える構造だけど、ナナ先生のは4点で支える構造だから、肩に背負った時の重さの感じ方がちょっと違う。

ケースが先生のお下がりなんて、何だか、ケースにナナ先生の空気の一部がつまっていたようで、嬉しい
↑こういうこと言うのは、アイドルの追っかけやってるオタクっぽい人ですかね。
ケースもお下がり持ってるだけでご利益ってないのかなぁ?

【余談2】
ナナ先生のお家のワンちゃん達は、いつもいい子なのに、週末ナナ先生がいなくてよほど寂しかったのか、うるさい、うるさい。
どうしようもないと感じたナナ先生はレッスンが終わるとそのまま、部屋の中で放し飼いにしました(もちろん、私は犬好きで平気だからOKってことで)
二胡を片付けている最中に、四匹が走るわ、走るわ、私にじゃれてくる…うおぉ~
こういう快感久しぶり…
で、喜んだワンちゃん、おもらししました(あちゃ~)
子犬、連れて帰りたかったよ。
もし、ここが日本なら、私間違いなく、もらって帰ってきたなぁ。
ポケットに入る大きさ。
ちなみにうちの父も昔、子犬をお得意先からもらってコートのポケットに入れて、2時間電車に乗ってしらばっくれて家に連れてきました。
ナナ先生もどうせ、あと1カ月もしたら、子犬はあげるか、ペットショップに売りに出しちゃうし。
かわいいよ~