大きい鼓と小さい鼓

daguxiaogu
これ、二つとも中国大三弦です。
おやおや、大きさ違いません?
太鼓の部分に注目!
上が俗に大鼓、下が小鼓と言います。
100年前の中国三弦なんて、演奏者によって微妙に色々違った規格の三弦が存在したんだろうと思います。
もともと中国は、民族楽器を国際舞台で通用するようにという方向で、あまり伝統を守ろうとかこだわらず、楽器の改良を続けたような気がします。
かつての三弦の棹が長すぎ、その割に太鼓が小さくバランスが悪い、音量がイマイチっていうことで、太鼓を大きくして音量出そうという方向で出現した大鼓が上の写真。
でも、この大鼓、大きいから音量出るかっていうと実はそうでもなく、音量は弾き方次第だし、音色が重いというか落ち着いた感じ。
こういう改良三弦の音色に納得いかず、もともとの小さい太鼓に戻し、棹の長さは大鼓と同じ高さを維持したものが下の写真。
音は、小鼓の方が昔の三弦の音色に近く、明るめの音が出ます。
あと、高音域になると、小鼓の棹の一番高い音は、大鼓では、すでに太鼓の端っこの木枠部分まで侵入しないと出せないってことになります。

三弦弾きさんが、どちらの三弦を使っているか、ぶっちゃけ、誰に師事したかで違います。
また、途中で師事する先生を変えた場合(こういうケースはその大学の系列を抜けても別の大学の系列で不都合なく大学や大学院まで進学できるか分からないので稀ですが、いないわけではありません…)、両方を所持している人もいます。

違いは音色でしょうね。
私は個人的には民族オーケストラで低音域の撥弦楽器が欲しいなら大鼓、三弦の独奏で、民間伝統曲を弾くのなら小鼓、現代曲が弾きたいなら、あんたの好みでいいんじゃない?と思っています。

私は、ここ2年ほど、大鼓は日本、小鼓は中国においてありましたので、二つ並べて写真撮るのは初です。
だって、二胡弾きさんには想像つかないと思うけど、大三弦抱えて、飛行機に乗るの大変よ〜(古筝弾きさんには分かってもらえると思う)

今週の日曜日(2015年7月5日)、新大阪でお友達の発表会に友情出演してきますが、小鼓を使うつもりです。
日本で小鼓を使って、人前で弾くのも初です。
これに出てきます↓

momohara