99%の努力と1%の天賦で二胡が弾けるか【二胡LESSON85】

ええと、まずは長弓(ロングトーン)から。
相変わらず、外弦を引く時に音が安定しないワタクシです。
音色にブレがあるんですよね。
しかしながら、ナナ先生曰く
「多くの人が内弦の音色が安定せず、外弦の方が簡単にいい音がだせるんだけど、稀に逆の人がいるのよね~、そう言えば、私の先生も外弦よりも内弦の方が綺麗なのよね」

おお?私は稀に見る逆タイプの人ですか?
そいえば、竹笛を吹いている時も、「高音が出せても低音が綺麗に響かない人が多いけど、あなたは逆だね」と言われたような気が…
いつも少数派ってことですか(^^;
でも、ナナ先生の先生って、つまり中央音大のY先生と同じタイプなんて、なんか嬉しいかも。
このタイプの人は、コントロールしようとする力が強いので、内弦は綺麗に響くけど(コントロールが効かせられない人は苦手ということになる)、外弦のときは、より力抜く必要があるため、無駄な力が入っているということらしいです。
ナナ先生が私の弓を自分の中指にのせて軽く親指で落ちないようにしただけの状態で、す~っと弓を引くと、あら不思議、綺麗に鳴るじゃないですか。
外弦なんてその程度の力で足りるのだそうです。

さて、私の二胡ですが、まだ弾き足りないせいか、高音のAの音にやたら雑音が入ります。
うぅ、感じわるっ!
ナナ先生が弾いても、多少、雑音が混じりますね。
コツはもう少しだけ力を加えて弦を押さえることで、雑音が緩和されます。
とにかく、たくさん弾いて皮の振動を促さないことには、この問題は解決しないようです。

基本的な問題ですが、調弦について。
二胡などの調弦は、チューナーで見てDとA、どんぴしゃりのところで、合わせりゃいいってもんではないというのは、何年かやってる人なら知っていると思いますが…(十二平均律ではないから、平均律よりちょっとだけ差を大きくしないといけない)
じゃ、どうやって、合わせればいいのよって、本当に難しいですね。
ナナ先生いわく、「棹の振動が、最大に感じるときかも」
え~?
二胡の棹の振動なんて感じたことなかったな…
三弦系の楽器はほんと便利で「今、合った」という瞬間が何となくわかります。
隣の弦の振動が最大になるからね~
三味線にいたっては、さわりが付くので、もっと分かりやすいです。
あぁ、何で二胡は、振動が分かりにくいんだろうなぁ。
ナナ先生曰く「いつも、あんまり注意して感じてないだけなんじゃない?」
う~確かに、弾くのに一生懸命で、手の触感に注意していなかったかも。
ナナ先生が続けておっしゃるには「二胡の宿命と言っては何だけど、音程問題も機械的にピッタリ合ってたら、味も素っ気もないから、最終的には、あくまで音程が正しいという範囲内での音程の上下の差は、耳触りがいいか悪いかという極めて人間的な基準しかないんじゃない?」ということらしいです。

私的にはただの音階練習が30セントも狂えば、気持ち悪くて仕方ないですけど、それが楽曲の必要性からきちんとビブラートがかかっている状態での上下なら、別にどうってことないわけで…

あぁ…結局のところ、たくさん弾くしか、仕方ないんですね。

そうそう、ナナ先生の、今週の迷言は
「二胡は99%の努力と1%の天賦」
確か、エジソンの言ったセリフじゃなかったっけ?
ううむ。
確かに、一流と言われている人の練習時間はすごいし、本人はそれを努力とも思っていないことも知っているけど、天賦は果たして本当に1%だけかぁ?
わりと、何でもすぐに出来ちゃう子が、そのままきちんと練習を重ねたら、プレーヤーとしてステージに立てたのにって場合でも、そこそこしかい練習しなかったら、人一倍努力して頑張った子の方が上手いっていうのは認めるけどね~

***課題曲***

【賽馬】
相変わらず、弾いてまあす~
今度の課題は、左手の指の一本一本を高く上げて弾くこと。
もちろん、指を高く上げれば、スピードが間に合わないから、最初は遅く弾かざるを得ない。
この練習目的は、一本一本の指を高く上げることで、一音一音をきちんと弾くこと。
速く適当に弾いているだけでは、指の触感が曖昧で、一部の音がもつれていても気付かず、先へ行ってしまいがちなので、この感覚が分かってから、徐々にスピードを上げていきましょうかってことです。
しかし、前にもふれたけど、中年以降の人がどこまでスピードを上げられるかって言うのは、ほんと個人差もあるだろうし(楽器経験の有無や年数も関係あると思う)、自分の身で試すより仕方ないんですよね。

【薬指がおバカだけど、付ける薬があったら欲しい件】
人間の身体の構造上、誰でも薬指を速く連続で叩けないものですが、訓練したらどこまで速く出来るようになるんでしょうね???
電車に乗ってる時とか、暇つぶしに膝の上で薬指叩こう~キャンペーンを開始しようかな。
琵琶弾いている子とかの場合、右手の掻き鳴らし練習が止まったことないよね…
三弦弾いてる子もいつも右手でそろばんを弾くような仕草をしていることが多いし…傍にいる人が心の広い人ならいいけど、そうでないと貧乏ゆすりと一緒で嫌がられるかも…

【二泉映月】
この一週間、一生懸命さらったので、何とか叱られずにすみました~
とりあえず、音程とメロディだけは合ってる感じ(笑)
でも、ナナ先生の要求は高く、まだ、薄いノートみたいだから、分厚い辞典みたい仕上げようね~と言われました(^^;
それから、この曲に限ったことではありませんが、音がブチ切れなんですよね。
もっと滑らかにしないといけないんです。
別に曲を覚えていないからぎこちないとか、そういう問題ではなくて、弓をかえす時にスムーズではないという技術的な問題です。
自分で連弓で弾いた時の音と分弓で弾いた時の音が同じように滑らかに聴こえるぐらいに、分弓を練習してみなさいと言われました。

さて、今年も後、残りわずかですが、クリスマスイブは、今年最後の二胡レッスンとなりました。
兄弟子先生のブログに、イブは教えたり、自分が習いに行ったりで終わった、と書いてありましたが、器楽って継続が必要なので、クリスマスだろうが正月だろうが関係ないんだよねぇ…
その足で二胡を背負ったまま、大学院の講義に行きました。
二胡は軽いから持って歩いても疲れないけど、これが筝とかじゃなくてよかったわ~
夜、大学の寮に戻ってきた時、さすがにイブに練習する子は少ないんだけど、練習している子もいましたね。

来年の目標

法律条文風に、来年の「してはならないこと」を書きだしてみました。

筝の練習は一日1時間以上してはならない。
二胡の練習は一日2時間以上してはならない。
ネットは一日30分以上見てはならない。

三弦と三味線に関してはこの限りでない。
(やりたいだけ、やれば?)

私って…一生、まっとうな人生をおくれそうにもないんだろうな。

指甲(つけ爪)


つけ爪と言っても、お洒落のためにする可愛いヤツではありません。
三弦を弾くための道具です。

もともと三弦は人差し指と親指で爪弾きます。
河南南陽地区の河南板頭曲(歌の開演前に観客に開演を知らせるために弾いた器楽曲、又は早く来たお客さんに退屈しのぎに聴いてもらう器楽曲)ですと、そこに中指も加わります。
最近では琵琶の奏法をとりいれて、五本の指を使う楽曲もあります。
指を三本以上使う奏法を輪指といいまして、五本全部使って掻き鳴らすのは五輪指、四本なら四輪指、三本なら三輪指、これらの組み合わせの輪指等です。

私はまだ五本の指全部使えません(^^;
が、つい先日、練習方法を教えてもらったので、まだ指が動くうちに練習しようと思います。

歳くってるからなぁ、たとえマスターできたとしても、使い物になるぐらい速くできるようになるんだろうか???
いちおう、大昔にピアノ弾いてたから、薬指や小指が独立して動かないということはないけど、どうなんだろうね。

さて、この爪ですが、セルロイドで出来てます(加工がしやすいから)。
それを医療用などに使われるテープで巻きます。
(何回か使って、テープの粘着力が低下してきたら、換えるっていう感じです)
昔は鼈甲なんかもよく使われたみたいです。
筝の爪などは、水牛とかも使われるみたいですが、三弦では聞いたことないですね。
日本の筝のような象牙ちゅうのも、聞いたことないなぁ。
京劇三弦の先生で、ステンレス製を使っているとおっしゃった人もいますが、私的には「え~!!ステンレス?」ですね。
いくら摩耗が少ないと言っても、音が硬くなりすぎやしませんか…???
日本だったら、ステンレス製の爪で、お琴とか弾こうとか、ステンレスの撥で三味線弾こうって発想は絶対にしないよね。
琵琶の爪などはセルロイドが主流みたいですね。

習い始めの頃、当然といえば当然ですが、なかなか思うように弦がはじけないので、この爪がボロボロになります(笑)
信じられないくらい弦に深く入り込んだりすると、かなり上の方まで弦によってこすれた痕跡がつきますし、角度がオカシイ場合は、斜めに摩耗していったり、ギザギザになったりということもあります。
私のこの爪は3個目ですが、最初のは摩耗がひどくて換えて、二個目は失くしてしまい、3個目なんです。
使い始めて何カ月もたっているのに、きちんと頭の方からすり減っていって、我ながら感心。
人間、いちおう進歩はするもんですね。
面白いことに、皆さん、最初に使った爪は捨てずにとってある人が多いんですよ。
記念なんでしょうかね。
ちなみに私の一個目の爪は、先生のおさがりで、もともと摩耗していて、私がさらにそれをボロボロにしてしまって、人には見せられないです。
何で自分で新しいの買わなかったのかって?
腹立つことに、ちまたの普通の楽器屋では、まず扱ってないんですよ!
超マイナー楽器だから。

爪…ちまたで売っているのは、昔ながらの超でかい爪(ここまで長いと使いづらい、今時これを使うのは民間芸人の爺様ぐらいじゃなかろうか…)
弦…ちまたで売っているのは絹製(三味線の弦と同じ感じ)、でも我々が使うのはスチール弦。スチール弦の中でも、最近の改良弦は、普通の楽器屋ではなかなか置いていない。

中国人は楽器や道具をどんどん変えていく…変えすぎも、どうかと思う時もある(^^;
しかし…何故、外国人の私が三弦の附属品探しに苦労して、爪や、改良弦のことを楽器屋さんに説明しなきゃならんのだ???