西洋音楽をやっている人たちがフツ―に感じるリズムといえば…
四拍子…強・弱・やや強・弱
三拍子…強・弱・弱
二拍子…強・弱
民族楽器を使用する音楽だって、西洋音楽理論を視野に入れて作曲されたものは、このとおりなのでしょうけど、昔から伝わってきたというような曲というのは、リズムが訛っていて(笑)面白い。
リズムの訛りといえば、ウィンナーワルツなんかの三拍子も、ステップにあわせなくてはならないので、均等な三拍子ではなく、くるんと回る部分は長めで若干訛っているらしい。
そういう意味では、日本の盆踊りも、うるう年じゃないけど、途中で太鼓を余分に叩いたりしないと、うまく合わなくなってくる…
私はそういう昔からある変な曲が大好き。
ところで中国の古代又は民間音楽には、「板眼」という概念があります。
つまり、打楽器である「板」や「鼓」で拍子を取る際、板を打つ時が強拍(板)、鼓を打つ時が、弱拍又はやや強拍(眼)を担当します。だから、よく、一板一眼は2拍子、一板三眼は4拍子、有板無眼(流水板)は1拍子に相当すると説明されます…が、それは便宜的にそう言っているだけで、例えば、板で一拍子を打つ場合、必ず全部強拍とは限らないわけです(おいおい)。
ちなみに、こういう理論と実践は普通の音大では必須科目ではないでしょうが、うちの大学では京劇科の学生でなくとも必須科目らしいです。
自分でテーブルを打って板の代わりにして、地方劇の一部や民謡(?)を唄うという期末試験があります。本当です。
私は音楽科の必須科目は卒業単位に全く関係ないので、聴講だけして、試験は受けていません(^^;だってさぁ、外国語喋るだけで精いっぱいな人間が、節付けて唄えねーよ!
しかも、地方劇ともなると、方言の影響で四声(音の抑揚の調子)が異なるので、中国人でも抑揚を間違えます。
中国人であっても、その地方の出身者ではない場合、真面目に声調をメモらなければ、ちゃんと唄えません。
若い子たちは当然、西洋音楽で育ってきているので(ただ、やってる楽器が民族楽器のため、音感が十二平均律ではない人が多いかも)、変なところでテーブルを打ってしまったり、強拍と弱拍が入れ替わってしまったりすることもあるようです。
ところで、私は最近、津軽民謡にハマってしまっているので、よく、レッスン室で弾いているのですが、ちゃんと弾けていると、人に笑われる(?)というか、不思議がられるというか…でも、楽しそうだねと感心されます。
均等にリズムを刻むのではなく、ある時は前のめりっぽく、ある時はタメが多いという、そのビミョーなリズムが、隣で練習している子の調子まで狂わせるようです。
一応、譜面は二拍子で書かれていますが、西洋的な二拍子ではないことは明らかで、これを西洋音楽理論に基づいて弾いたら、強弱がおかしくなるわなぁ
模範演奏を聴きながら、合わせているんだから、私のリズム感がおかしいわけじゃないんだってばさぁ~
ちなみに、京劇三弦(これは私が普段弾いている類の三弦ではなく、もっと細くて短いです)のレッスンDVDを持っていますが、あれなんかは、京胡の弓使いに合わせて(つまり大きく弓を引く時など)、強弱が決まるところもあるみたいです。