青森民謡協会の新年会

「青森民謡協会」の新年会に行ってきました。
三代目長谷川栄八郎先生、御年95歳だそうですが、水戸黄門バージョンで楽しくお唄いになって皆を笑わせてくださいました…
95歳ともなると、正直、手とか怪しくならないのかなぁと思っていたのですが、そりゃ、10代の子のようなハチャメチャな速弾きはしないけど、しっかりしていらっしゃるのね。
もちろん、長谷川先生の三味線が太鼓や唄とずれるなんていうことは全然ない…
経験ない若い子は、運動能力的に手は回るけど、唄の伴奏できないもんね…
私なんて、一生懸命、CDとかの音源聴いて、一生懸命、その音源に合わせて三味線弾いて練習しても、いざ、お稽古で先生の唄に合わせて弾こうと思うと、結局ずっこけるし…
うぅ…長谷川先生は、舞台を降りる時とかは、段差があるからさすがにお爺さんらしい足取りなのに(失礼…)、舞台の上では頭も手もしっかりしてて…私も、あんな風に年取りたいなぁと思いました。

お名前は伏せますが、ある踊りの方も、後で75歳だと知ってビックリ。
あのキレのある動きは、50代ぐらいにしか見えない。
化け物ですね。恐るべし…
私は「自分なんて、もうオバサンだから…」と嘆いていたのですが、こういうお化けのような人たちを見ると、急に帰って三味線弾きたくなっちゃいました。
(もちろん、帰宅したら9時過ぎてましたから、弾くのを我慢しましたが。

2007年に津軽三味線コンクール全国大会(日本民謡協会主催)で史上初の女性チャンピオンになられた松橋礼香先生…美人なのに、力強く弾くんですね…(お顔からは想像できなかった…三味線持つと人格変わるの(?))
でも、廊下ですれ違った時は、普通にとてもかわいらしい女性でした(って当たり前か…恐るべし(?))

五錦先生、本当に楽しそうに三味線、弾いてらっしゃいました。
ちょっと酔ってるのかな(?)
なんで、あんなに楽しそうなのかなぁ…
私、自分の三味線が下手すぎて、全然いい音がしないので、最近、練習は全然楽しくないのよね。
でも、お稽古が楽しいのは、(私の津軽三味線の)先生のいい音に酔っ払えるからです(笑)。
ほんと、私、今、絶不調…なのです。

澤田勝秋先生の唄、生で聴いちゃった~(テレビで長山洋子さんのじょんからの伴奏をしているところしか拝見したことがなかった…本物だ~と感動しちゃいました)

澤田先生はキーが高めなので、後からお唄いになる福士先生が
「私は高い声は出ないから、『男っぷり』で勝負したいと思います」とおっしゃると
「無理ですよ~」とか言われたりしてました。
なんというか、私のような下々の者からしてみたら、大先生方のショーを観ているわけですが、会場のそういうやり取りを聞いていると、「新年会」のノリなんだな~と思いました。

私はやっぱり、角田洋若先生の踊り、福士豊秋先生、小山貢先生、工藤武先生の津軽よされ節が一番、楽しかったなぁ…
これ、夏の青森民謡唄祭りのときにも観たけど、やっぱり好き。
私はもともと「舞曲」に魅かれる傾向があるのです。
だから、「じょんから」「よされ」「小原」などの民謡も、普通のバージョンよりも踊り用バージョンが大好き。
でも、踊り用はテンポが速いのと、踊りに合わせて弾くものだから、私には敷居が高いです。
今回のよされ節(踊り)は、先生方ですらテンポが速かったようで、「速いよ~」と小山貢先生が笑いながら疲れた右手をぶらぶらさせながら舞台を去る時、福士先生まで右手ぶらぶらさせちゃって、二人して右手ぶらぶらして歩く姿はなんだか、愛しかった(失礼…)。
(角田先生、どんだけ、速く舞ったのですか?恐るべし…舞台が狭いから、速くなっちゃうのかな?)

素人の私がこんなにすごい舞台を拝見できたのも、(私の津軽三味線の)先生のおかげです…
本当にありがとうございました。
実は、本日は私のXX回目の16歳の誕生日でした(笑)。
私の脳内では「よされ」がバースデープレゼントソングとして都合よく解釈されて鳴っていたのであります。

【余談】
私は二十年以上学生をしている都合上、私の周囲は「先生」ばかりです。
私はおバカなので万年学生なのに、同輩や後輩は先生になっていきます(笑)
だから、私が「先生」と単に言うだけでは、何を教えてくれる誰の事を指すのか他人には分かり難いです。
というわけで、私の二胡や三弦の先生は中国人なので、本名に近い仮名で書いて、三味線の先生は、日本人っぽく師匠と書いて区別してきましたが、本当はマズイのかなと思い始めました。
ネットなどを見ていると、師匠と弟子、先生と生徒、言葉を厳格に区別される方もいます。
私はお金を払って芸を教えてもらっている素人だから、後者の関係ですよね。
じゃあ、三味線の先生のことをブログ内では何て呼ぼう…うぅ難しい。
単純に「津軽三味線の先生」でいいのか…(確かに私はゼロから教えていただいて、津軽三味線に関しては他の先生に師事したことは一度もないのだから、他の誰ともかぶらないなぁ)
本人に伺ってみようか(- -?
そもそも、三味線に関する内容は書かなきゃいいんだけど、書きたいことを書いていると、避けられない場合もあるわけで…

二胡の調整

12日(日)は、光舜堂さんの無料調整講座に行ってきました。
こういうものは、やはり、書いてあるものを読んでも伝わりにくく、実際、やってるところを見ながら、説明聞いて、自分の耳で確かめるのが一番ですね。
多くの人がついやっている調整方法、実は方向違いに行きやすいっていうのにはビックリ。
というのは、駒だけを取っ替え引っ替えするという奴です。
先生方もよくやってるから、素人は何気に真似しちゃいますよね。
私は駒を手元にたくさん持っていないので、やらなかっただけです(笑)
よく分かっている人がやる分には、いろいろ、音色にこだわりがあってやっているのでしょうけど、まず、自分の楽器を最大限「鳴らす」ことを覚えるべきで、そうなると、まず見るべきところ、違うみたいです。

参加された方の楽器をそれぞれ見てビックリ。
二胡にはある程度の規格があるはずですが、内弦、外弦の木軸の間の距離が微妙に違うのです。
おやまぁ…。
私なんて、幸か不幸か、先生と一対一のレッスンしか受けたことないので(先生、滅多に自分の二胡弾かないし…)、多くの二胡を見比べたことないんですね。
距離が違うということは、弦の張力に差が出るということです。

鳴らすための調整の手順はだいたい、こんな感じだったような…
1、まず、どの駒使うか決めちゃう。決めたら変えない(駒の高さ変えたら、手順3の意味がなくなる)
2、その駒をつけた状態で、弦を適度な張力ではる。
3、その時、弦と竿が平行になっているか確認する。
4、千斤(上駒)を巻く
5、千斤は、弦が振動した時、駒が動かない程度の締め具合にプラスα程度の力を加えたぐらい?(コマが動かない程度の緩々だと、ちょいボワァとした音、締め過ぎは音はクリアでも伸びないので、ボワァとなる手前とも言える?)

弦と棹が平行になるかどうかは、弦を木軸に通す穴の位置、木軸を棹に差し込む穴の深さとも関係するので、そこは弦を巻く時に上手く巻くしかないか。
木軸を棹に差した時、ガタガタと動くようなら、削ってガタガタ治そうね(でも素人は取り返しがつかないほど削り過ぎないようお気をつけあそばせ…木軸が棹に当たっている場所だけツルツル光っているので、そこをちょっと削ります…)

つまるところ、弦と棹が平行という状態がホームポジション。
そこから、どの程度千斤を締めるか、いろいろ力を加減してみるのが王道。
私は、手持ちの駒が少なかったせいで、調整というと、いつも、千斤を巻き直していたんですが、穴の位置とか全然、気にしてなかったよ〜。
わけも分からず、千斤何度も巻き直してた(笑)

もっとマニアックな話になってくると、弦のメーカーによって、張力のクセも違うとか、あったりするんだけどね。
いろいろ言い出すとキリがない…

面白かった発言といえば…
参加されたある方が、自分の二胡は、外弦の軸と内弦の軸の距離が、普通より広いため、そういう二胡は外と内の音色の差がかなり出るということ。
でも、そういうのは、民族楽器としては、ありですよね。
規格からずれ過ぎてるから、絶対ダメだみたいなこと、言わないから、私みたいに民族音楽好きにはいいですよね。
職人さんっていうと、自分のこだわりが強くて、その他は全否定みたいな怖いイメージありますが、光舜堂さんそういうことはないので、好きです(*^_^*)
そういう中国らしい二胡は、劉天華の良宵とかの、ソソと同じ音なのに、わざわざ、外弦と内弦を使い分けるような曲のためにとっておけばいいんですよね。
西洋クラシックをメインに演奏される方なら、そういう二胡はちょいまずいでしょうが…(笑)

いや〜覚えていることを書いたつもりですが、私、記憶力は人並みにありますが、流動性知能が低くて、初めてのことに対する処理能力が著しく低いので、間違いがあったり、不適切な言い回しで、誤解されるような表記があったら、ごめんなさい。

職人的な部分に興味ある方は、光舜堂一度行ってみたらいいと思います。
あ、でも、二月は休業だね。
休業開けには、有料の実践講座をされるということなので、マニアックな方は参加されてはいかがでしょうか?

どっかで、三味線の調整講座もやってないかなぁ…ボソッ。
女子は職人的マニアックなことに興味ないと思われるのか、誰もあまり教えてくれないしなぁ。

新年会で旦那さまぁ〜

本日は、津軽三味線のボランティア演奏させていただきました。
といっても、私はご年配の方に喜んでいただく術を知らないので、私の所属している小山流の貢翠先生にお願いしました。
私、自分の師匠以外の人のリードで弾いたことないのよね。
さすが、内輪だけあって、リハしてないけど、あそこはいつもどおりで、あそこはこう行くから、という程度の一言二言の打ち合わせだけで、ちゃんと分かる(笑)

翠先生とお弟子さんの「南部俵積み唄」、楽しかったです。
いつもブログを読んでくださっている方や親しい人は私の脳の特性をご存知かと思いますが、私は歌詞が脳内で映像化されやすいんです。
お正月らしく景気のいい唄なんですよ。
今度、ちゃんと暗譜して、スタンダードナンバーにしちゃおう。

ハアー 春の始めに この家(や)旦那様サ
    七福神のお供してコラ 俵積みに参りた

ハアー この家旦那様は 俵積みが大好きで
    お国はどこかとお聞きあるコラ 私の国はナアコラ
    出雲の国の大福神
    日本中の渡り者コラ 俵積みの先生だ
ハアー この家旦那様の お屋敷おば見てやれば
    倉の数が四十八コラ いろは倉とはこのことだ
    一の倉は銭倉コラ 次のお倉は金(かね)倉で
    次のお倉は宝倉コラ 次の倉から俵倉
    俵倉には米を積むコラ 七万五千の御俵をば七十五人の人足で
    大黒柱を取りまいてコラ 千戸から千石 万戸から万石
                  (栓戸から千石 窓から万石)
    ヤッコラセの掛け声でコラ 棟木までよと積み上げた
    さても見事に積み上げたコラ 
    おほめ下され旦那様サ お祝い下んせ母(かか)様
    ハアー めでたいなめでたいな 
    この家旦那様は百万長者と申される

実は私、「旦那さま」という言葉に非常に弱いのです。
子供の頃からの時代劇好きのせいなのかな。
大店の「旦那様」とか、「若旦那」とか、この響きがたまらなく好き。
なんか、すごく心の広い、いい人っぽくないですか?
若旦那=バカ旦那っていうのもありますが(笑)
夫のことを「主人」というのは死ぬほど嫌いだから(なんか、ワンコのご主人様のように絶対服従みたいでイヤ)、自分は絶対に他人の夫を「ご主人」とは言わないけど、「旦那様」や「旦那さん」っていうのは、つい、言ってしまうなぁ。
これも、芸者さんのパトロンのようで嫌という人も多いから、相手を見て、「夫」とか、「配偶者」っていうしかないんだけども。
女性の自立や平等概念に厳しい方は、「パートナー」とか、「連れ合い」というのを好むのでしょうね。
特に、自分の夫のことを「旦那さん」と「さん」付けしちゃうのはおバカの極みとネットで言われているのを見たので、言わないようにしようと思いつつ…うっかり言ってしまう。
そもそも、私の夫というのは、私よりかなり年上で、経済的、学問的に私が追いつけるような対等な関係ではないし、私にいろんなことを教えてくれた「先生」でもあるので、イメージ的に本当に「旦那さん」なんですよね(^_^;)

南部俵積み唄、旦那さまぁ、旦那さまぁ、の連呼で、もうメロメロです。