がおぉ~とは鳴かなかったけどポンポン踊った私の二胡

光舜堂さんへ行ってきました。
日曜休みの三味線屋さんとかあるけど、ここは日曜日しかやってない二胡屋さん…
今年の夏は、なんだかんだと行く機会がありませんでした。
五時までの営業なのに、飛び込んだ時はもう四時半回ってるし、で、自分は五時半に別のところで人と待ち合わせしてたもので、もう、お目当ての二胡を弾くだけ弾いたら、さようなら~
自分の見たいものだけ見て、弾くだけ弾いて逃げるように帰って行くなんという厚かましさ。
本当にすみませんでした。

ところで、私、楽器職人さん大好きなんです…
いろいろ工夫されて、楽器を改良したり、いろんな道具を開発されたり、本当にすごいと思います。
そういう職人さんのお話聞いたり、ブログ拝見するのは超楽しい。

ちなみに私は二胡を二把持ってます。
どちらも蘇州系の中国産の紫檀二胡です。
まぁ、ご存知の方も多いと思いますが、紫檀と言っても日本語の紫檀とは違います…
一つは、初めに買ったものなので、皮はもう緩いです。
習い始めの頃に、一日数時間弾きこんだもので、いまは日本に置きっ放しにして、二三ヶ月毎に帰って来るたびに弾いています。
もう一つは、二年ほど前に買った某先生制作のもので、よく鳴るものです。
まだCitesを取得したことがないので、ずっと北京で使用しています。
どっちも自分が選んだものではありません。
というのも、中国の二胡って、良いものは大体、先生方へ、そして先生方を通じて音大生や音大付属受験生なんかの手元へ行ってしまい、大体残り物が楽器屋へ行くんですよね。
もちろん、自分の腕に覚えがある人は、楽器屋で掘り出し物見つけられるかも…ですが、普通は無理なので、自分の先生から回してもらうことになります。

で、日本製の二胡といえば、私は光舜堂さんで弾かせてもらうたびに思うことなんですが、弾きやすい。
いえ、別に私、光舜堂さんの回し者じゃないです(・_・;
しかも、ここで、二胡本体を買ったこともないという…
でも、弾きに行くんです。
駒とか、道具類面白いですからね。

人間で例えると、ここの二胡って人当たりがいいんですよね。
すぐに仲良くなれる感じ。
中国の二胡は、鳴るものは確かによく鳴るんだけど、へたっぴが弾くと、ウルサイ。
もっとも、腕がよけりゃ、どんな二胡でも美しく鳴ると思うんですが…
光舜堂さんの二胡は、一昔前の写真のコマーシャルではありませんが、腕がある人はより美しく、そうでない人はそれなりに美しく鳴るという感じがするんです。

今回、弾いたのは十二角の二胡。
十二角と言っても、全ての辺が同じ長さの十二角じゃなくて、ちょっと角がまあるくなっている十二角って感じ。
だから、弓が変に角に当たらなくて、弾きやすい。
もっとも、すごく腕のある人にとっては、別にどうでもいい形かもしれないけど、腕が中途半端な私なんぞは、弾きやすいなぁと思います。
でも、自分はもう二把持ってるし、お金もないんで買わないでしょう(ごめん)…人には選択肢の一つとして教えてあげるかもしれないですが…

そうそう、バイオリンの駒からヒントを得たという虎駒、試しました。
駒の下に切り込みがありまして、これが振動をうまく伝えるので、よく鳴るという仕組みだそうです。
気になる方は、光舜堂さんのブログなどをチェックしてみてください。
虎駒、自分の日本に置きっ放しの一本目の二胡ちゃんで普通に弾いてる時は、うーん、確かにちょっと音量大きくなったような気がするけど、気のせいかもしれないし(科学的に測ってないのでわかりません)、劇的な変化というほどのものかなぁ、と感覚的にはちょっとよく分かりませんでした。
ううう…素人のワタシの耳と演奏家の耳は違うし、楽器の癖と奏者の癖もあるから、一概に言えないので、ご自分の楽器と耳で試してみてくださいね。

でも、オオッ!と思ったのは、ピチカート奏法。
ピチカートの音の粒がすごく綺麗に通りました。
弦を「擦る」では、さほど変化を感じなかった私の二胡ちゃんですが、弦を「はじく」では力を大いに発揮しました。
私の古い二胡ちゃん、普段は控えめな内気な子なのですが、なんかポンポコ踊りだしちゃいましたよ。
おお~ビックリ~

セキュリティ検査と税関

北京首都国際空港のセキュリティ検査で、三折三味線ケースがひっかかるのはいつものことなんです。
中に三味線の本体以外の道具いれてますからね。
まず、バチはよく「何これ?」って聞かれます。
ある意味、凶器になり得るので聞くのは当然でしょう。
「日本の三弦の撥だよ」と言うと、大抵は、「あー、こうやって弾くやつね」(中には弾く真似をしてくれる検査官もいる)とスンナリ分かっていただけます。
結構、三味線、知名度高いので、どうということはないです。
(よく戦争もののドラマで日本人の宴会なんかのシーンでも出てきますし…)

しかしっ!
三味線ケースの中には小箱をいれていて、その中に中国三弦用の爪とか、爪を固定するテープなどの小物を入れてるんですが、テープを切るための小さなハサミが入れっぱなしだった^^;
三弦、琵琶、古筝をやる子は必ずハサミもってますからね。
でも、ハサミと言っても、先が丸い小さなものなので、これで人を傷つけるのは厳しいんですが…刃物には違いありません。
当然、没収…かと思いきや、いったんは抜き取って、また検査したあと、行き先を聞かれて「東京」と言ったら、何やらエアチケットのバーコードを読み取ったあとに、無言ですっと返してくれました。
あえて、何で?と聞くのも変なので、そのままポッケに入れてセキュリティ検査場を後にしました。
え?
別に賄賂渡したわけでも、お色気売ったわけでもないですよ(ない色気は売りようもないし…)

いつも、バチとかが検査で引っかかるたびに、エアチケットをコンピュータに記録しているみたいですが、どういう仕組み(意味)なんでしょうね?

それはそうと、今回は、二胡のハードケースを持っていたのですが、日本の税関では何も聞かれなかったなぁ。
…っていうか、ケースだけで、中身は空なので、別に何を聞かれようが、中を見せてと言われても、全然問題ないんです。
「もし、中身が入ってたらどうするんだよ、見なくていいのかい?」とツッコミたいところですが、まぁ、相手も忙しいのでしょう。
おそらく…あくまで私の推測ですが、税関の人って、職業柄、経験的に何か隠していそうな人が分かるのかなぁ。
んでもって、二胡のハードケースって、一見、バイオリンケースっぽく見えるから、持ち慣れてて、堂々としていれば、変だと思われなかっただけかな。

ちなみに、私の中国人の友人(音大卒)なんかは、ニシキヘビ皮の楽器はCITESがないとまずいということを、そもそも知らず、日本の税関は厳しいと私の口から聞いて知ったのが出国数日前、今更間に合うわけもないから、そのまま、日本に行ってしまったけど、何も聞かれなかったそうな…
まぁ、長年自分が使っている楽器だということが、見た目から明白だし、何か言われたら仕事で使うんだと言い切って、卒業証書見せて交渉しようと思ってたみたいなのですが。
↑皆が皆、何事もないとは限らないので、絶対に真似しないでくださいね。

まぁ、上記の対応から判断すると、私の外見って、犯罪者や商売人っぽくはない、ということなのでしょうか(^^;

二胡LESSON103

相変わらず賽馬を弾いてます。
譜面を見ると、弾き始めたのが去年の9月ですから、私、1年も弾き続けてるんだ~
この曲って、皆が弾きたがる曲の割には、実はレベル的に大したことない曲なので(中央音大のグレード試験の3級…ちなみに9級が最高です)、結構、誰でもすぐに弾けるようになっちゃうんで、わ~恥ずかしいったら、ありゃしない。
1年経っても完成してない(^^;
まぁ、ナナ先生も、私に別の曲を弾かせても、結局、どれも似たりよったりのレベルにしか仕上がらないので、その程度のレベルでレパートリーだけ増えていくようなレッスンの進め方はやめようか、っていうことなんです。
技術的に一つ上のレベル行くように、とりあえず、暗譜しちゃってる賽馬を弾きつぶして、ありとあらゆる問題を解決しようということであります。
だから、馬はず~っと走らされてます…

今回の宿題は、たったの1から24小節まで。
もっと言えば、最初の一段(6小節)さえ、しっかりできていれば、あとの小節は同じパターンの繰り返しだから、とにかく6小節は完璧に弾いてきなさいとのこと。
1、最初の6(ラ)はフォルテシモで、音頭をハッキリと!
2、次の十六分音符の35(ミソ)は均一に。
3、6535(ラソミソ)の繰り返しは、どんなに速く弾いても右手と左手がキッチリ合うようにする
(私は速くなってくると、左手が一秒遅れるので、当然、雑音が入ります)
1から3までをそれぞれ一日、30分も練習すれば、ずいぶん曲の印象も変わる筈とのことです。

実は、二週間ほど、また日本に戻る予定なので、次のレッスンまで間があきます。

【余談】
今日は、わんこ不在。美容院で洗ってもらって、毛を切ってもらっているそうです。
私の音を聴いてくれる観客がいなくて、ツマンナイな~(笑)。

ところで、ナナ先生に「子どもの民族音楽オーケストラの指導とかに興味ある?」と聞かれました。なんで、そんなこと聞くのかなぁと思ったら、「もうちょっと腕が上がったら、そういうアルバイトしたら?」って勧められちゃいました。
ナナ先生が言うには、北京の小学校は結構、民族音楽教育に関心が高くて、学校にはたいてい民族オケがあって、子どもに教えたりするアルバイトがあるのだそうです。ほとんど習ったことない素人の子どもに教えることになるので、別に演奏のお仕事とかと違ってどこそこ音大出てるとかそういうこと気にしなくていいそうで…
多分、素人の子ども相手なので、腕は演奏家並みに素晴らしくなくても全然構わないけど、子どもに上手く教えられる人、という需要があるんでしょうね。
ナナ先生は今回、自分の演奏のお仕事の都合で、そういうお仕事をお休みすることになったので、ふと、「あなたの腕がもう少しあって、あなたも興味あるのなら、人に教えることは自分の勉強にもなるし、後任に推薦したのになぁ」って、そう思ったのだそうです。
あはは…なんか、私は最近「何のために弾いてるのかなぁ、目標立てようがないんだよね」って悩んでいるのが、何となく先生にも伝わっちゃって、私のモチベーション高めようとしてくださってるのかな?
そうなのよね、「先生」するのって、演奏家並みの技術と魅力は必要ないかもしれないけど、必要最低限の技術と魅力、プラス教える能力はいるからね…
私、(精神年齢低いから)子どもと遊ぶのは好きだけど、面倒見るのは苦手かも。
ちなみに、私は(使い道の全くない)高校の教員免許は持ってるけど、小学校はもってないわ~
自分が不器用だから、出来ない人の気持ちは120%分かるし、どうやったら出来るのかには人一倍、興味あるけどね。

ところで、私には、音程が狂ったり、弾き損ねそうになると(この段階では弾き損ねていないとしても)、とっさに弾くのを止めてしまうという困った習慣があります。
ものすごい「恐怖」を感じるんです。
何に対する恐怖か?
親や先生に叱られる(というより感情的に怒られる)恐怖です。
そういう癖がある人は、おそらく、子どもの時に散々、親や先生に怒鳴られてきた人みたいです。
でも、これって、後々、人前で弾く機会のある人にとって、致命傷になります。
ちょっとぐらい間違っても、本番では止まっちゃいけませんからね。
「その心理的な問題を何とかしなさい」と言われています。
ナナ先生だけでなく、二胡以外の楽器の先生すべてに指摘されていることなんですが…(というか、楽器が違っても、奏者が同じなのだから、基本的にどの先生にも言われることは同じなのです)
何かいい克服方法あるんでしょうかね?

私が子どもに教えるんだったら、絶対、「そこ、ほら、間違った!」って中断させないようにしようと思います。
↑これを繰り返すと、私のようにものすごい恐怖から逃れられずに止まる子が出来上がるのだと音楽教育の先生が言ってました。
でも、ミスった時に言わないと分からないというか忘れちゃう子、あるいは後で一度にいろいろ言われても、頭の整理ができずに混乱する子(要するに障害傾向のある不器用な子)にはどうしたらいいんだろうね?難しいねぇ~
自分が一度にいろんなことを注意されても忘れてしまう人間だと知っている今となっては、私はレッスンの核心部分では録音させてもらってますけどね。