やまたのおろちな私【二胡LESSON83】

「賽馬」のゆっくりバージョンを相変わらず弾き続けています。もう、何度も弾いているので、暗譜してますけど、何度も弾いている割には、完成度低すぎ。

ピチカート奏法、ムズカシイ。
というのも、私は思いっきり弾いて、勢い余って、腕で自分の胸叩いちゃって、痛いよぉって感じです。
ナナ先生曰く「そもそも、そんなに力要らないんだってば。手先のちょっとした力で十分だし、腕は補助的というか、向きをコントロールしてるだけなんだから、胸ガンガンぶつことないって…」

うぇ~ん。
何回かに一回はちゃんと上手く弾けているので、「たんに練習がまだ足りないだけ」と言われました。
確かに、自分でも音で「あ、今、上手くいった」って分かるのですが、その上手くいったときの記憶が頭にも手にも残ってないんですよ。
うぇ~ん。確実に再現できない。

今回から、「二泉映月」も追加です。

同じ曲ばかりだと飽きちゃうだろうし、一つの曲が完成するのにものすごく時間がかかるので、二曲同時進行になりました。
もしかすると、ちまたの趣味の教室の先生によっては、一通り弾ければ、次に行っちゃうのかもしれませんがナナ先生はOK出しませんから、前の曲もずっと弾き続けることになるんです。
定番中の定番、「二泉映月」ですが、私は低音二胡なんて持ってませんから、そのままの二胡で弾いてます。
でも、二泉用の弦ももっていないので、D調のまま弾いてます。
音域が高いと何か明るすぎるので、調弦をCGまで落としてみましたら、多少、雰囲気は変わりました。
しかし、この曲はポジション移動を極力減らして、指だけ上にあげてポジション移動の代わりにするっていうことが多い曲なんですね。
作者が民間芸人だったこともあって、歩きながら弾くのに、こういう奏法は便利なんだそうな。
確かに、どこそこ大学のなんとか教授の曲とは、雰囲気が違いますよね。
ナナ先生が弾くと、当たり前ですが、すごく上手ですが、正直、こういう曲はナナ先生のイメージに全然あわないなぁ(笑)

日本だと、楽器店で二泉二胡のレンタルがあるってきいたことあるなぁ。
確かに、最初はわざわざ、二泉用の二胡なんて買う余裕ないだろうから、ちょっと弾いてみたい人にいいんだろうな。

【余談】

ナナ先生曰く、
中国の民族楽器音楽は、国内より国外での反響、発展がすごい。
マニアックな聴衆はおいといて、中国の一般聴衆は西洋クラッシック音楽なら大人しく聴いていたとしても、民族楽器だと真面目に聴かない。
だけど、外国人を相手にした演奏会は、聴衆がちゃんと聴いてくれるから、ものすごく気分がよいそうです。
でも、国内でも、二胡は他の民族楽器より習う人多いし聴く人も多いし、出来る人のレベルも高いんだけどなぁ。
だって、4歳くらいからやってないと出遅れているというか…他の楽器は別の楽器から転向した人もいるし10代半ばで始めても、音大合格ってあり得るものね。
「世の中、こんなにも二胡人口が多いのに、音大生でもちゃんと弾ける人が少なすぎ」というのがナナ先生の印象らしいです。

ところで「二泉映月」ですが、世界中で愛されていますよね。
でも、この曲、日本語では何て発音すればいいんですか?
作曲者の阿炳は、大学の先生でも何でもなくて、民間芸人さん。
ナナ先生に「あなたも作曲してみたら?」と言われました。
「中央音大でも、自分の専攻楽器以外に、作曲も勉強する院生や先生が多いけど、誰一人として世界に羽ばたいた曲を書いた人っていないんじゃないかしら…」と言ってました。

理由は、中国の教育に問題あるんじゃないかとのこと。
とにかく、つめこみ主義ってやつで、暗記しろ~っていうのを子どもの頃から習慣になっている。
だから、創造性のかけらもない。
以上がナナ先生のご見解です。
確かに、外国の院生がよく中国の院生に対して「本に書いてあったことをそのまま言ってどうするよ」みたいなこと言ってましたね。
でも、これ、日本の方がもっとやばいかも…
日本人の場合は、「人と違う」ことに対して超冷たい…というか世間が許してくれない(笑)
「皆そうだから」という理由だけで、皆さんそれに従うところが凄過ぎる。

さて、作曲ですが、別にたいそうな学問は要らないから(あんまり勉強しすぎると、結局はどこかで聴いたような曲しか書けないという弊害もある)、興味あったらトライしよう~みたいに励まされちゃいました。
実は、私は大いに興味あります。
独奏じゃなくて、アンサンブル曲書きたくてしょうがないんだよね。
でも、編曲みたいな勉強したことないから、しないとどうしようもないですね。
別にバッハみたいなのをしたいんじゃなくて、アジア的なやつ。
三味線と二胡で合奏できるなら、三味線と三弦と三線で「三弦のための合奏曲」できないものか。
二胡と三弦の合奏できないものか。
あ、二泉二胡だと基本がG調で、ちょうど三弦の基本の調もGなわけで、低音二重奏できるなぁ。
もちろん、パソコンソフト使って、いろいろ最初はやってみればいいんだと思う。

でも、最終的に仲間がいないと、実演できない(;_;)
私、オトモダチいないんだよなぁ…
こういう時、大きな音楽教室とかに行ってる人は、同じようなレベルの違う楽器を習っている人を見つけやすいような気がするなぁ。
相手のレベルが高過ぎると相手にしてもらえないし(こっちがレッスンとして謝礼払わなくちゃならない(^^;)、相手のレベルの方が低ければ、絶対に嫌になっちゃうし…嫌になっても嫌になったとは言いづらいし…難しいですよね。

私が二胡だけに専念しない理由は、合奏する時、二胡人口は圧倒的に多いので、すぐに相手をしてくれる人が見つかると思っているからです。
皆で二胡弾きたいとは思ってなかったりして。
そう言う意味で、必然的に自分は二胡以外をやる必要があったわけです。
二胡は自分でなくてもいいもん。

「千手観音みたいに手が何本もあったら、自分でカルテットとかするのになぁ」と友人に言ったら、
「手がたくさんあっても、それをコントロールする脳が一つじゃ、処理しきれないよ」と言い返され
「じゃ、頭もたくさんほしい」と言い、気味悪がられた話は、昔のブログに書いたような気が…
やまたのおろち…あ、でもこれは手は8本ないからだめじゃん…!!
でも、尻尾と頭がいっぱいで手が出ないところは今の私そっくりかも…

何が弾きたい?ではなく、私の何を聴いてみたいですか?

三弦のレッスン中…
もう、この曲は、後はお前が練習重ねて完成させればいいから、次、何弾きたい?とトシミネ先生(仮名ですよ)に聞かれました。
「この系列の曲で、ゆっくりしたのが好きか、速いのがいいか、どっち?」

私の答えは…
「ぶっちゃけ、私が極端に速い曲を弾こうとしても、どんなに練習しても、もう子供みたいには上手くならないし、聴けたものではない。かといって、遅めの曲は現代の若い子は絶対にツマンナイって言うと思う。正直、聴衆受けが良くて、私でも良さを引き出せる曲は何でしょうね…」

あれ弾きたい、これ弾きたいって欲求が全くないわけではないけど、自分の気持ちより、自分にどの程度完成させることができるかどうかをまず考えちゃうんですよね。
先生としては、興味のある曲をやらせれば、意気込みが違うので上達につながるって思うンでしょうね。

でもね…自分がどんなに好きな曲でも、下手くそだったら、誰が聴いてくれるのよ。
聴いてくれる人がいて、聴いてくれる人が夢中になってくれて、聴いてくれた人に喜んでもらってなんぼでしょ?
自己満足だけじゃ嫌…じゃあ、トライできる曲は限られてくると思うんだけど。
プロを目指す若い人ならともかく、私がこんなことが言うのは変かもしれないけど…
私、ものすごく理想が高いので、自分が弾くことに関しては、いつまでも完全に「楽しく」はなれないと思います(^^;
でも、たま~に楽しいなぁって思う瞬間というのは、なくもないか(先生が一緒に弾いてくれる時とかね)。

トシミネ先生が「お前は、俺と一緒だと、割とよく弾けてるよね?何でだろ?」って言うので、
「先生と一緒だと、自分の音じゃなくて、先生の音が聴こえるから気分がいいし(自分の音にウンザリ)、自分の音程が若干狂った時、直しやすいからです」と言ったら、何か呆れられました。

だから、私は「趣味」で音楽をやってるとは言えないと思います。
でも、こういう人間は、一体どこをめざしてよいのかも分かんないので、たまに落ち込みます…
救いなのは、普通の人間はここで、こんなにイタイ自分に、もう耐えられないのでしょうが、私は鈍いせいか、そのうちまた、淡々と練習してます。

二胡のナナ先生も、次に何やりたいって聞くので「現代曲と定番の伝統曲、どっちがいいですかね?」と聞いてみました。
ナナ先生の答えは後者だったので、じゃあ、もう、こりゃ世界中で誰も知らないって人がいない名曲中の名曲「二泉映月」とかでもいいですかねと思い打診したら、あっさり、「いいよ~やってみよ」と言われました。
おそらく、これはゆっくりした曲なので、誰でもそれなりに弾けますが(多分、中級以上の人ならやったことあると思う)、実際のところ、技術的な問題より、表現の上手い人とそうでない人の差がはっきりつくような、オソロシイ曲だという気がします。

津軽三味線のほうですが、前回帰国時、お師匠様が「次はこれやってみたら?」って津軽じょんから節新節曲弾を提案してきました。
でも、曲弾って、お師匠様の模範演奏のようなスピード感と弾みがあれば、華があっていいのですが、そうでないとツマンナイ練習曲みたいに聴こえちゃいますよね(汗)
これは聴かせるものではなく、演奏者を見て楽しんでもらうものだという気もする…
私はと言えば、こんなんだから、見ても楽しいかどうか保証しかねる(^^;
人は見た目が8割って言うし、これは統計的にも裏付けがあるんですよね。

年齢…若くない(今後、干支を聞かれたら、その年の干支を答えますので宜しく)
ルックス…並み(だと思いたい。身長だけはやたらあって176.5センチ。若いころは嫌だったけど、今となっては、そのおかげで手が大きいのだから、よかったと思っているのが救い)

男性や若くて可愛い女の子たちの曲弾きはなんかこう、かっこいいんだけど、若くはない女性グループが、が~って弾いてるのって見たことないかも。
やる人がいないのか、いても人目につかないのか、私が単に見たことないだけなのか…

私の二胡と三弦は筝(琴)の音がする?!

タイトルのとおり、
何か、私の二胡と三弦は、筝(お琴)の音がするみたいなんですよ(苦笑)

二胡でも弦をはじくピチカート奏法というのがあります。
中国の楽曲の場合、まるで太鼓のようにポンポン弾む感じで弾かないといけないのに、ナナ先生が言うには、何か私のピチカートは日本のお琴っぽいんだそうです。
ポンポンじゃなくて、ベンベン?
ベンベンっていうと何か三味線みたいだなぁ。
ナナ先生も私以外にはもう一人しか日本人教えたことないし、中央音大の留学生の演奏しか聴いたことないから断定しちゃうのも何だけど…と言いながら、やっぱり子どもの頃から聴いている音楽って、何らかの影響を及ぼすのでしょうかねぇ…と笑ってました。

ナナ先生が言うには、学部時代、日本の琴に触れる機会があって、ちょこっと習ったけど、なんか、こう、弾むというより、音域が中国に比べて狭くて、平坦な感じがすると言ってました。
それって、まさに、日本語と中国語の差でもあるわけですが、日本語は、中国語よりも、音が低い位置から始まりがちで、抑揚がほとんど付きません(日本語的にはちゃんと高低はあるんだけど、中国語に比べてその幅がめちゃくちゃ狭い)。
日本人の中国語学習者の大半が、習い始めに苦労するのは、抑揚が上手くつかないせいで、全然通じないということでしょう。
筝だって、歌いながら弾いたわけですから、そういう影響があるのは無理もないでしょう。

「もし、自分の音に違和感がないなら、それは否定しないけど、中国っぽく行きたいのであれば、ちょっと工夫して変えてみたら?」と言われました。
ナナ先生が以前、中央音大で留学生の演奏会ってやつを聴いた時、「とってもよかったんだけど、やっぱり、何かちょっと中国人とは違うわよね(悪い意味じゃないわよ~)」とおっしゃったのもやっぱり気になります。

確かに、中国の演奏家が「さくら さくら」や「荒城の月」をお弾きになるときに受ける不思議な感じに似てるんでしょうかねぇ。
演奏家が中国人だって知らなくても、多分、この人、日本人じゃないと(国籍どうこうというより、身に染みついたリズムとか語感みたいなやつです。日本語話せないんだろうなぁ、みたいな感じ)分かることありますよね。

そういう意味から言えば、やっぱ、中国語が全く分からないよりは、ちょっとは分かって弾く方がいいと私は思うんです。
(自分が分かるから、優越感持って言っているわけじゃないです。もともと歌詞のあるような曲は弾きやすくなるような気がします。ついでに言えば、舞曲なんかも地方の伝統の踊りがどんなもんか知っている方が、知らないより、リズムがそれっぽくなると思います)

さて、もう一方の、私の中国三弦の音です。
部屋やレッスン室を開け放して弾いていると、どこからともなく人が入ってきて(?!)
「筝(お琴)弾いてるんだと思った」と言われたことが、三回(-_-)

これは…皆さん、綺麗な音だったよとは一応、言ってくれますが(半分、社交辞令…)、う~ん、褒められたものではないんでしょうねぇ。
私の十八番が筝の曲でもあるということもありますが、琵琶でも弾かれている曲なので、琵琶かと思ったって言われてもおかしくない筈なんですけど。
(琵琶専攻の子には、「その曲、三弦でも弾けるんだね。初めて知ったよ」と言われました)
私もたまに、先輩が琵琶弾いてるのか、三弦弾いているのか、ちょっと遠くからだと聞き間違うことあるんですが…その先輩が元は琵琶専攻だっていうのが関係あるのかなぁ???
私、お琴なんて、習ったことないんだけどなぁ。

中国三弦ひくなら、それらしい音、本来、引き出さないといけない筈なんですけどね~
もっと、音の粒が明確で、細かくて、強烈にハジケル感じってやつでしょうか。
私の永遠の憧れの人、世界一カッコイイ爺さんだと思う、大御所の蕭先生の音の三弦らしさ。
あの音、真似できん…

笑い話ですが、私の知っている柳琴(琵琶によく似た楽器です)制作の職人の先生が「私は、柳琴作らせたら一流だけど、たまに琵琶なんかも制作するよ」とおっしゃったんです。
確かにその先生の会社の商品ラインナップに琵琶もありますね。
で、続けてこうもおっしゃいました。
「でも、私が琵琶作るとさぁ、なんか、こう、柳琴っぽい音がするんだよね(爆)」
ははは~
この職人師匠は、柳琴の先生もしているので(そもそも弾けないのに、楽器だけはつくっているという職人さんも中国には多い)、やっぱちょっと影響あるんでしょうか。

じゃあ、私の三味線の音はどうなんでしょうね。
今のところ、お師匠さまに「筝みたい」と言われたことはないです。
でも、お師匠さまは、私に大甘なので、本当は思ってたら、どうしよう(^^;