二胡LESSON82

相変わらずの「賽馬」です。

ゆっくり、分弓で。

7小節目、23小節目の装飾音をきっちり弾くように注意されました。

「装飾」音だからといって、テキトーに流してはいけないとのこと。
女子が身につける髪飾り、装飾品だって、皆、あれこれ悩むでしょ?
頭に付いてりゃいいってんもんではない!
劣悪商品になってはいけないそうです(^^;
今は、超スローに弾いている訳だから、装飾音ももっと大げさに長めに聴こえる筈なのに、私のはちょっとかする程度。
これでは、速く弾いた時に、絶対に音が無くなってしまう…そういうことです。

後は弓使い。
すべて、分弓で弾いている訳だから、長く弓を使うところと、弓先、あるいは弓元だけの部分とがあるはずですが、きっちり使い分けが出来ていないので、もっと大げさに使い分けましょう~ということです。

「こんな簡単な曲で、いちいち、超スロースピードで練習して、別に何も得ることなんてないんじゃないの?と思うかもしれないけど、これが重要なのよ」と念を押されました。

確かに、この曲を超スローで、分弓で弾くのは、正直、恥ずかしい。
周囲に、「こんなもんくらい、速く弾けないなんて」って思われていそうで、なんか、ちょっとなぁ。
実際、いい加減でいいなら、もっと速く弾けるわけで…
でも、私のような者でも、自分が出来るかどうかは置いといて、レベルの高い人とそうでない人の賽馬が明らかに違うということは分かるので、道のりは遠くても、ゆっくり確実に基礎を積み上げていこうと思います。

これ、3級なんだよね(中国のグレード試験は数が多いほどレベルが高く、中央音大の考級だと9級まであって、その次の最高級が演奏者級という別格のグレードになります)

ナナ先生の生徒さんは、子どもが多いわけですが、一つの部類が考級受験のために勉強している学生(一芸入試などに有利だから)、もう一つの部類が音大、音大附属の受験生です。私のような大人に教えることもありますが、私は歳が歳だけど、趣味で楽しく弾けさえすりゃいいと割り切っているタイプではないので、できるできないにかかわらず、音大や音大附属を受ける子には言ってあげることは、一応、言うのだということらしいです。
ナナ先生はただ弾けりゃいいという趣味の人には、あまり教えたくないのだそうです(諸事情で教えることはあるでしょうが、乗り気ではないそう)。

琵琶は何故「琵琶」で、三弦は「三弦」と呼ぶのか

先日、二胡専攻の友人が言いました。
「この間、二胡って何本弦があるの?って聞かれちゃった…二本に決まってるじゃない、二本じゃなかったら「二」胡じゃないでしょうが!」

ははは、確かに。
四本なら四胡だしなぁ。
弦が一本の、独弦琴という楽器もあったなぁ。
日本のお琴(筝)なんかも、十三絃とか、十七絃とかいうふうに、弦の本数が楽器名として通用するしなぁ。

ん?
まてよ、三弦って、弦が三本だから当然、「三」弦なんだけど、弦が四本の三弦ってあるよ。
これほんと。
中央音大の王振先先生が、1964年に「四弦三弦」というのを制作している…調弦はEADG。
1976年にも調弦GCDGの四弦三弦を作って、自分で演奏したCDも録音してるしなぁ。

まぁ、音域広げたい、琵琶の演奏技法取り入れたいって気持ち分からなくもないけど、三弦は弦が三本でいいんじゃない???

じゃあ、琵琶は四本の弦だけど、四弦って呼ぶんかいなと思いきや、そんな習慣はない。

実は、昔、ほとんどの弾撥楽器は、「琵琶」と呼ばれていたらしい。
というのも、そもそも、何で「琵琶」という楽器は「琵琶」って言う名前なのかというと
昔々、「琵」(発音はPi)というのが、弦を右手で前方へじゃらん~と掻き鳴らす動作で、「琶」(発音はPa)がその反対で、後方へじゃら~んと掻き鳴らす動作を表しました。
だから、こうやって弾く楽器はすべて、琵琶と呼んでいたのだそうな。

現在の、「月琴」(一昔前の日本でも流行したらしいね。坂本龍馬の奥さんのおりょうさんも弾いていたらしい。中国では今も京劇伴奏等に使います。)、「阮」(正倉院の宝物として螺鈿琵琶が有名だけど、実は螺鈿阮というのもちゃんと日本に伝わっています。)等はすべて琵琶の仲間~

ん?じゃ、まさか、弦楽器であって、弾くという点で琵琶も三弦も同じだから、もしかして、三弦まで琵琶って呼ばれていたのか?
ええ?!と思いきや、三弦にはそういう説や噂は見当たらない…
三弦の前身といわれる楽器の名称が「弦鼗」。発音記号はxian tao 。
(秦の始皇帝の頃…紀元前214年以降?)
「鼗」← この漢字、文字化けするかなぁ…(鞉·鞀)とも書くらしく、意味は「でんでん太鼓」。
三弦は、弦の付いたでんでん太鼓ってことで、琵琶じゃなかったんだ(笑)

手はどこまで進化できるか

実は、薬指のことで悩んでいます。
皆さまは、人差し指から薬指まで、一直線上に置いて思いっきり拡げたら、何センチくらいまで拡がります?
3歳から何らかの楽器やってるっていう人は問題外です。
むちゃくちゃ拡がるにきまってるやん。

津軽三味線の場合、多分、6のツボ(人差し指)から9のツボ(薬指)っていうのが一番距離があるんですよね。
測ったら約8センチでした。

中国大三弦の場合、多分、第七ポジションのド(人差し指)レ(中指)ミ(薬指)を一度に押さえる場合が一番キツい。
人差し指から中指までが4.5センチ、中指から薬指も4.5センチ(人差し指から薬指までが9センチ)です。
もちろん、どうにも手が小さくて押さえられない人は、薬指を使う際に人差し指を離せばいいんですが、そうすると、よほど運動神経がよくない限り、快速なフレーズを弾くのは諦めないといけないでしょうね。

私の先生は、お前は手が大きいんだから、がんばって拡げろって言います。
でも、横に拡げるのは、もう無理かも。
年寄りなんだから、手はあまり変形しないかもね…
とは言うものの、大人になってからやった器楽なのに、私の左手の指は右手より若干長いです(関節が伸びた?)

指を思いっきり拡げて弦を押さえる時、多分、二通りの方法があると思うんです。
一つは斜め横に拡げるパターン(琵琶はそもそも、これ以外に方法がないと思います)
薬指の右端よりの部分に弦を当てて、とにかくクリアな音を出します。

もう一つは、斜め下に拡げるパターン
ただ、距離が半端なくある場合、手首を上に上げることになり、人差し指を巻き込む感じになってしまうので、それはそれでイタイです。
薬指の真ん中あたりで弦を押さえることになるかと思います。

うちの先生は前者で押さえている感じかも。
でも、後者の方法を教える先生もいますよね。
ついでにいうと、日本の先生が、大人に教える場合は、そもそも、こんな無理な指使いをさせません(^^;
我々が、そこは中指でしょと思う距離を、薬指の記号が書いてあったりします。

どっちが薬指できっちり弦を押さえることができて、かつ他の指に負担がかからないんでしょうね…
いずれにしても、大人が無理しすぎると、指の腱に負担がかかって、痛めることになるので、注意が必要ですよね。
テキトーに押さえるだけなら、十分届くのですが、速く弾いて(例えば、ドレミレドレミレ、ドミレミドミレミ等)、且つクリアな音を保ち、音程が狂わないっちゅうのは、かなり、厳しい。
手を傷めたら元も子もないので、手加減してますが、どうにかなるものなのか、
もう、歳だから、諦めた方がいいのか、

実は習い始めのころ、右手を親指の付け根を痛めました。
そもそも、親指を外に弾くという筋肉の使い方を普通の大人は知りません(笑)
人の手は、握る方向へは簡単に力を入れられますが、逆は訓練が必要です(手首使わずにですよ)。
これも人差し指と親指の間の角度があまり広く拡がらない人にとっては、弦にあたる角度を上手くコントロールできないので、キツイです。
私はそれなりに模索して、自分の手の形に合うように妥協して弾くようになってからは、手は痛めてませんけどね。

こういうとき、6歳の6月6日から、楽器始めたという環境に恵まれてきたきた人を激しく妬みます(笑)
でも、そういう人はそういう人なりの悩みがあるので(周囲の期待とか、家業継がなきゃとか)、まぁ、妬んでも仕方ないですかね。

先生は、そのうち、何とかなるって思ってますけど、彼は私よりずいぶん年下で、この道だけで生きてきた人なので、年寄りの身体の構造なんて分かるまい…
(私の言動があれなので、先生も周囲も私の方が年下だと思っているようですが…)