第二回国際三弦シンポジウム

さて、皆さまは「三弦」と聞いて一番最初にどの楽器を思い浮かべるのでしょうね。
日本人なら三“絃”という漢字を思い浮かべて、地唄三味線とかですかね。

私は当然、中国の三弦(サンシェン)ですが。
正確に言うと、中国三弦にもいろいろ種類があるので(日本の三味線にもいろいろあるでしょう)、私がちょこっと弾けるサンシェンは「中国漢族三弦」というのが正しい言い方かもしれません。

11月11日から13日まで、中央音楽学院で国際三弦シンポジウムが開催されています。
今回のテーマは「モンゴル族三弦」です。

おそらく西方からリュート系の楽器が中国に伝わり、それが三弦の祖先ではないかと言われています。
このような楽器は世界中にいくらでもありますよね。
そして、蛇皮で今のような楽器に近いものは、おそらく、秦代にはすでに存在しておりました。
万里の長城の労役に借り出された人たちなどが夜に弾き唄っていたりしたという話もききます。
しかしながら、どんな曲が弾かれていたのかはあまりよく分かりません。
各階級(宮廷音楽から民間大衆芸能まで)、各地で流行して、楽譜などが残っている時代となると明、清代くらいからではないかと思われます。

私は先日、東京の芸術劇場で初めてモンゴル族の三弦を拝聴しました。
ルーツが同じ楽器で、楽器そのものが漢族のものとほぼ同じでも、演奏技法や文化が違うので、やはり全然違うんですよね。
騎馬民族なので、馬に乗っている時のリズム、つまり「たったかたったか」というリズムが何かにつけてよく登場する。

ところで、主宰者の中央音大の談龍建先生を初めて生で見ました。
私が知っている談先生と言えば、舞台でひらひらのモモンガのような袖のドレスで、優雅に三弦をひいていらっしゃるお姿なので、パンツスーツでマイクを握りしめて、プレゼンするお姿は、「女研究者」と言う感じで迫力ありました…
そして…いつも思うのですが、演奏家の先生はず~っと宣伝用のお写真を変えないので、結構年齢ギャップが…(^^;

とかなんとか言いだすと、三味線のお師匠様方も、CDのお写真と今のお姿にギャップあったり、正直、和服を着てないと「どちら様でしょうか?」とうっかりお尋ねしてしまうかもしれない…

さて、夜は三弦コンサートです。
この業界の人だったら、間違いなく舞い上がるようなメンバーと曲目で、ほんと、うっとりさせていただきました。
左隣に座っていたうたちゃん(三弦専攻)も一曲終わるたびに「素晴らしい」ともらし、右隣の南ちゃん(三弦専攻)も「どうして、あんなに手が速くうごくんだろう…ううむ」と唸っていました。

報告はまた、後日。

じゃぱにーず らうんじ ないと

私のマイミクさんで、津軽三味線の小山貢山先生が、だいたい毎月一回、六本木のレストラン (アート・ バー?)で「ジャパニーズラウンジナイト」というイベントをやっておられます。

どういうイベントかというと、以下のようなものらしい…
(実は、私は日本滞在中、行きたい行きたいと思いつつ、機会を逃して、行ったことがないので、詳細は分かんない。)

日本文化に興味のある外国出身の方や実際に和楽器を習っている各国の生徒さん、もちろん音楽好き、英語で話したい、機会がないだけで着物でのお出かけ先を探している人、おいしいお酒や多国籍なフードを楽しみたいゲストやパフォーマーの集まっているイベントです。
(「ピンクカウ」 ウェブサイトから引用)

和楽器を習ってみたいけど、何か怖そう(?)と思って見学に行けない人とか、外国人との文化交流に興味のある方には、いいかもしれません。
私も昔は、和楽器のお師匠様は「下手くそ」とかいって撥が飛んでくるんじゃないかと思っていましたが(笑)、実際はそうでもないです。
私の調子外れな三味線でも、一緒に弾いて唄ってくださる…すごい忍耐力。
中国の先生の方が怖いです…軽く平手が飛んできますからね(これホント)

場所は
http://www.thepinkcow.com/index.php?language=ja

次回は11月18日 出演者は
http://www.shamimaster.com/informationj.html

三味線の「すべらない糸巻き」の体験できるらしい。
(私も行きたかったよう…)

ご興味があれば、是非、行ってみてください。
でも、「赤字だと、このイベントなくなっちゃうかも」だって…わ~ん、私が観に行くまで続けてください。

ちなみに、私は、年明け1月20日、中国三弦、ちょっとだけ弾かせてもらいにいく予定です。
和楽器じゃないけど、いいんかいなと聞いたら、いいんだよって言ったし…
まぁ、三味線の祖先なのだから、死ぬ前に一回、見とくのもいいんじゃない?
何せ、秦の始皇帝の時代からある古~い楽器なんだよ~
(といっても、今の楽器は改良されているので、弦もスチール使うし、昔のままじゃないけどね(笑))

中国の糸巻き事情

私の三弦の糸巻きは黒檀です。
前は水牛の糸巻きが主流だったそうですが、水牛は滑りやすいらしく、私が買った当時は黒檀の糸巻きにしろと言われました。
二胡は紫檀です(中国語で紫檀と言っているだけで、本当のところ、どういう木の種類か分かりませんが…)。

しかし、まぁ、乾燥がひどいと、木は呼吸をしている訳なので、たまに思いっきり、シュパッと一気に元に戻ったりします。
二胡と違って、三弦は微調整器具がないので、ほんのちょっとだけ音を低くしたいな~というときに、よく、弦を引っ張るのですが、引っ張ったはずみで、シュパッッということもあります(^^;

え?
駒の下の方の弦のところに微調整器具つけたらどうかって?
ダメなんですよ。
そこの部分でも弾くという奏法があったりしますから(笑)
そんなところまで使う曲なんて、滅多にないですけど。

そんなわけで、松脂を砕いて粉にしたものを、糸巻きに付けておいたりします。
まぁ、わりとよく止まるし、木を傷めることもない。
二胡もやっている都合上、松脂なんて、最後まで使いきれずに、乾燥気味になったモノがその辺にあったりするので、砕いて利用します。

ところで、日本の三味線に「滑らない糸巻き」っていうのがあるそうですね。
なんか、前は10万くらいしたのだそうですが、最近、お安いものがあるのだとか。

私は調弦がど下手なんですが(特に滑りやすくなっている先生の三弦の糸巻きなんかは、もう持ったままでは調弦できないので、一度下におろして両手使います)、結局、先生は持ったままちゃっちゃと調弦して、それで、シュパッと戻らないんですから、長年の勘とコツがあるんだろうなと思います。

ちなみに、私の握力は男性並みですから、力の問題じゃないんですよね…
こうやるんだよ、と三弦の先生にも三味線の先生にも教えてもらってますが、一向に上手くなりません。
これ、いつまでたっても下手くそだと、演奏まで下手に違いないという眼で見られるから、上手く回せるようになりたい…

逆に、倉庫に何年もほったらかしにしていたという、すごいアヤシイ三弦を姉弟子が持ってきて、糸巻きがカチカチに固まっていたために、二人がかりで、引っこ抜いたことありました。
姉さまが本体を自らの体重で支えて、私が糸巻きを回しながら引っ張るみたいな感じ。
ペンチもないし、音楽科って男子学生少ないから、その辺歩いてないし、ほんと困りました。