余音を引きずる

私は、現在、3つの楽器を同時に習っていることになるわけですが、これらの楽器に共通する特徴はフレットがないということです。
で、フレットがないゆえに可能な表現といえば、滑音なわけですが、私はこれが聴覚的に大好きなのに、運動能力的に超苦手です。
私の三弦の先生は、「重箱の隅をつつく」という表現が適切なくらい細かいことを指摘して妥協を許さないお方でして、それはホント、しつこいので、ぐったりすることもあるのですが、ある意味、ここまでしつこく悪いところを指摘してくれると、実は他の楽器やってるときも、他の先生は妥協してか(あるいは私が落ち込むのを避けるためにか)、あまり触れないようなことでも、あぁ、同じような悪いところがあると自分で分かって便利でもあります。

で、滑音にはおおざっぱに、二種類あります。
一つが前の音と後の音の間、押さえた指を指板から外さずに滑って、少し高い音(あるいは低い音)の余音を次の音に巻き込む方法です(実滑といいます)
二つ目が、前の音を弾いた後、次の音に移るとき、そのまま指板から指を外さず、余音をリズムに基づいてひっぱってきて、実際にはその音は弾かず、余音だけで出す音というものです(虚滑といいます)

虚滑が連続して続くと大変なことになります。
たとえば、レミ、レミ レミ と弾くとした場合、レはちゃんと弦を弾く、ミは弦を弾かずレの余音だけで出します。
でも、次のレは当然また弾き、ミは余音だけです。
それを早く繰り返すと、ミからレに行くときも、指が指板から離れず、すべて滑った音がつきまとうことになります。
これをトシミネ先生は、「ねばねば」と表現します(^^;
ぬかるみを歩くようだとも言います。泥がくっついて離れないってことですね…

二胡なんかも、指板がないから、いつも必然的に指が弦の上にのっかっているわけですが、
例えば、弓を返さない状態、一弓で、G調の第一ポジション、人差し指だけ使って、外弦ミソ ミソ ミソ…とやって、ミとソは滑って、ソからミに戻るとき滑音をなるべく出さずに弾けますでしょうか?
ゆっくりならともかく、速くなってくると、私はアヤシイです。

三味線はサワリがつくので、きっと余音があって当たり前の状態が多いですし、私の師匠は私に甘いので何かをおっしゃることはないのですが、きっと、めちゃくちゃなスリ方をしていると思います。
っていうか、私はそもそも、三味線には何種類のスリがあるのか知りません(^^;

変な余音を残さないようにするためには、押さえた指をとっさに指板から離して(二胡だとさらにやっかいなのは、弾く系の楽器と違って、右手の弓はずっと擦っている状態ですから、一瞬軽く、右手も力を抜いている瞬間があるはずと思います)、ポジションを異動する必要があります。
でも、きちんとした滑音をだすために、前の音を弾く時は、きちんとした圧力によって指が指板を押さえていないといけないので、その力がとっさにぬけましぇ~ん(;_;)

一体、どうやったら、脱力してポジション移動できるのさぁぁぁ!!!
誰かコツを教えてください。
と叫びたいですが、
聞いても「一年や二年で、悟れるもんじゃないんだよ、気長に練習することだね」という回答しか得られません。
そらそうだな、音大生だって少なくとも10年以上弾いているし、先生に至っては、20年も30年も弾いているわけだとは思うものの、
(しかも、その10年20年は趣味の人とは練習量が違うことも知ってます)
往々にして先生とか演奏家ちゅうものは、優秀な人ほど自分が簡単に出来ちゃったから人にあれこれ教えられないんですよね…
ナナ先生とかは、知らないうちに、いつの間にかできるようになった、としかおっしゃらない。
すごく不器用な人で、天賦の才能に恵まれず、イタイような努力だけで先生になった人、いないんでしょうかね…
↑普通は、本人辛くて途中でやめるし、長い年月、時間とお金のかけられるような環境は普通の人にはないから、いないんでしょうねぇ…

ついに飛びおりてしまった

別に私が飛びおりたわけではありません。
また、学内でそういうことがあったわけでもありません(…っていうか、本当のところ、何年かに一回はどこの大学でもあるでしょう)

飛びおりちゃったのは、私の演奏。
今、三弦で、少女が階段を上る様子を表現した曲を弾いていると言いました。
上の階へ行くことを「上楼」と言います。
で、始めの一小節は、まだ階段を上り始めていないのです。
イメージとしては、
1、身をひるがえして、
2、息吸って(ありていに言えば、ものすごく短い休符が入るわけですが、演奏者によってずいぶんタイミングが違います)
3、ハイ上りましょう~

というステップを踏むのですが、2が抜けてると指摘されたときトシミネ先生、うっかり、
「そこで一呼吸おいて、で、次の小節で“跳楼”!」って思わず言ってしまったんです。

上楼(階段を上る)ではなく跳楼(建物から飛びおりる)。。。

言っちゃってから、トシミネ先生自分で笑い転げてました。
もちろん私も「いや、言いたいことは、分かってるって…」と笑うしかない(^^;
要するに、言い間違うにしても、何の脈絡もない言葉を言い間違う筈もなく、
私が飛びおりちゃうような演奏をいつもしているから、つい、そう言う言葉が出ちゃったんでしょ。

ははは~

楽器の神様

今日は一日中暗かったです。世界終焉の日ですか?
いえ、別に、外が暗かったのは、大気汚染のせいでも、春の雪のせいでもなく…
朝の暗いうち(夜明け前)に起きて、譜面を手直しして、そのあとは、ず~っとMIDIを修正していたら、なんか外はもう暗い(夕方やん)
後は、二胡パートを弾いてくれるお友達が、弾きにくいところがあるとか、もっとカッコイイ案があるとか言ったら、その都度、手直しすりゃ~いい。

え~、やばい。
今日の昼間、私はなんら練習してないってことだよね???
お菓子とカフェオレとミルクティーしか腹に入れてないということでもある???

こういうのを廃人と言うのでしょうか(^^;
暇人でいいのか…

日中、真面目にお仕事をされている人からしたら、とんでもない極楽とんぼ…
でも、私普通の学生生活してこなかったから、失われた青春を今になって取り戻してるんだと思って大目に見てください。
誰に謝っているのかな~(^^;
いわゆる世間様???

お菓子食べながら、楽器を触るのは不謹慎かもしれませんが…
怒らないでぇ
私の知ってる某先生は、チョコレートやクッキーなどのお菓子とコーヒーを傍らに置いて、ごろごろ寝ころんで作曲するらしいから、別に楽器を汚してなければ、目をつぶってください。
誰に懇願してるんだ?
楽器の神様???
余談ですが…東南アジアかどこかの国で、フレットのある民族楽器のフレットを現代音楽を弾くのに不便だという理由で、西洋人がフレット増やせと職人さんに注文したら、

「フレットの一つ一つには、それぞれ神様が住んでんだ!勝手に減らしたり増やしたりできるか!おととい来やがれ!」

と叱られたんだとか。
音階の一つの音につき、一人の神様が担当していることになりますね。
三弦はフレットないので、棹に神様が一人だけ住んでいるのでしょうか?
たくさんの音を出せるずいぶん、万能な神様ですこと。
三味線も二胡も構造的にフレットがないので、神様はどこに住んでいるのでしょうか。
師匠、今度会ったときに教えてくださいm(__)m