二胡LESSON88

ほんと、もう、いまさら言うのもなんだけど、ポジション移動に余分な力入ってるって指摘されました。
その通りなんです。
自分でも力入ってるなぁって分かりますもん。
別に二胡に限ったことではなく、私が扱う楽器のすべてに言えることだったりします。
音程合ってればまだ許せるのに、余分な力入ってなおかつ音程ずれてて、いちいち直すんだから、何やってんだか。
ナナ先生には「音程気にし過ぎのあまり、力入ってるんじゃないの?」と言われましたが、
私としては、どうせ、力入ってるなら音程ぐらい合ってくれてもいいじゃんかよ~と自分の腕に文句言いたい。

多分、私は生れてからこれまで、脱力ってものを楽器を弾く時に経験したことがないんだと思います。
実は三弦なんかになると、左腕どころか、右手にも力が入り過ぎてくるので、半日練習したら肩がパンパンです。
多分、一番、力が入っているのが三弦、次が二胡かな、三味線は…基本的に変な指使いがないので、一番楽かも。
でも、やっぱり力入ってます。
どんなに、いろんな人の指導法や練習方法を読んで、訓練してみても、力抜けないのよ。

賽馬は相変わらずだし…
今回は、レッスンについて書くこともないので、脱線して雑談。

雑談のテーマは「もう、やめたい(^^;」
つーか、このセリフ、二胡習って一日目から、毎日、一回は心の中で言ってるな。
でも、先生に直接、言っちゃったことはない。
一度だけ我慢してもしても涙が止まらなくなって、半泣きしたことはあったな。
実にナナ先生に申し訳ないと思いつつも、泣いたらどうにかなるものでもないのに、子どもじゃあるまいし…
ナナ先生はなんていうか、私よりう~んと年下ですが、10代から生徒をもっているだけあって、心はすでに女将さんみたいな感じです。
自分もかつて泣いたことあるんだろうし、たまに子どもの生徒がこらえきれなくて泣くのをいっぱい見てきただろうから、なんかもう、どっしり構えている感じ、

じゃあ、三弦はやめたくなったことないのかっていうと、最初の1年はやっぱりやめたいと何度も言いました。
私は上手くならないと楽しいとは思えないタイプです。
その「上手」の基準もかなり高いというか素人がそこまで思っちゃいけないレベルなんで、挫折することが最初から分かっているわけで、じゃあ、本来、楽器なんて歳とってからやっちゃあいけないんですよね。

トシミネ先生に何度も嘆きながら、三弦やめる~やめる~って言ったんだよね。
今思うと、よく忍耐強く、「もうちょっと経ったら楽になる、面白くなる」ってとアヤしてくださったものだと思います。
…っていうか、ぶっちゃけ、トシミネ先生も私が手の大きい日本人だから教えたかっただけです(日本人なら絶対に三味線弾けるし(んなわけないけど、彼はそう思ってた)、将来ずっと弾いてもらいたい、そういうことです)

今は直接トシミネ先生に「やめたい」と嘆くようなことはしないけど、「もっと早くやめるべきだった」とつい周囲に言ってしまいます。
もう、今更、やめてもねぇ、つぎ込んだ時間とお金は帰ってこないし…
実際、三味線やギター弾ける人は、一日もかからずに私のレベルに達すると思うので、すごく複雑な気持ちです。
ただ、ギター弾きと私の違いは、技術は10倍、彼らの方が上手いに決まってるけど、中国語分からないから、伝統曲弾けないでしょ、ってことぐらいかな。
もちろん、譜面はあるから、彼らは譜面どおりにキッチリ弾けるでしょうけど、譜面どおりに弾いていいわけじゃないんだよね。
まず、音階が違うし(この派の曲のファ#は、十二平均律のファ#より高めとかいう類です)、あと、西洋的なリズムじゃない(四分の二拍子で譜面が書かれていても、西洋の四分の二拍子ではなく、本当は「八板」なんだよという類)、西洋音楽ではない別のルールがあるんだよ)ってところは、ちゃんと勉強しないと分かんないよねってことぐらいです。
中国人だって若い子は板式なんて、うちの大学みたいに、戯曲を唄わされる必須科目でもない限り、意識してないと思う。
だから、若い子は譜面どおりに弾くので味も素っ気もないけど、民間の年配の芸人さんが弾くと、技術自体は大したことないけど、味があるわけです。
トシミネ先生は私の前にも一人、学生時代に日本人を教えたことがあると言ってましたが、あんまり中国語出来なかったみたいで、もう、その生徒の名前が思い出せないって言ってます。
つまり、ず~っと見よう見まねで教えて弾いてただけで、お前みたいにべらべらいろんな愚痴言わなかったし、雑談もしたことないとのことです。
私もたま~に比喩や四字熟語分からないことありますが、そういう時は「ぽか~ん」とアホ面しているらしく、「意味、分かんないのかよ、かくかくしかじかって言えば分かるか?」と言い直してくださいます。
トシミネ先生は私よりチョットお若いのですが、いつもお父さんみたいだと思います(汗)。
学生時代から子ども相手に教えてきたせいか、心が親父さんぽくなるんでしょうか…

三味線はやめたいといったことはないですね。
だって、やめたいって言ったら、日本じゃやりたい人は多いし、上手い人はかなり多いから別にこの芸能を伝承しなきゃって先生も思ってないから、「あ、そう」って言われるだけのような気がする。
これ言ったらこれっきり最後だと思うから、怖くて言えないよね。
ただ、三味線の場合は、ほんと、心から欲しい、心から盗んでやりたいとい思う音っていうのに出会ってしまったので、とりあえずやめません。
ちなみに、師匠は私より年上ですが、ヨイショしてるわけではなくオジサンには見えないです。
もしかすると彼の場合は若い頃からご年配の人を教えてきたせいで、ナナ先生やトシミネ先生とは違った歳のとりかたをしてるのかも。
もうやめたいと言って泣いたって、きっと唖然と見てるだけで、絶対アヤしてくれないと思います(^^;