音色を言語表現できないもどかしさ

音色という抽象的なものを言語化するのは難しいですね。
音楽一家に生まれた人とか、3,4歳頃から音楽英才教育を受けた人は、その生きて来た世界でのスタンダードとされてきた音を自然に「いい音」と定義して記憶していくのだろうけど、そうでない私みたいな人は、正直、「何がいい音なのか」は分からないです。
それは、国や文化による差もあるからね。
音楽は共通の言語だみたいな言い方は嫌いです(^^;;
そんなわけないやろ。
まぁ、ライブで言葉通じなくても一緒に盛り上がれるみたいな意味なのでしょうけど、言葉と一緒で、本当に分からない人には分からないですよ。

さて、「いい音」が分からない私も、正確にはある程度「音色の違い」は分かります。

一番、困るのは、先生にどっちの音が好き?とか、この音色とこの音色の違い、分かる?って聞かれることですねぇ。
何となく違いは分かっても、先生方と同じフィールドで生きてこなかった私は、先生との共通の言語がありません。
なんと説明したら、先生が私の言わんとすることを半分以上理解してくれるのか察しもつかない…。
私が期待外れの受け答えしたら、先生は私のこと音色の違いも分からない才能ないやつ、あるいはセンスないやつ、ってことになるんでしょうね。

先日、三味線の先生に、こっちとこっち、どっち好き?って聞かれました。
あはは〜結果として、私が好きって言った方の楽器の方が安かったです(^^;;
(それでも、私の楽器が数本買えるけど…)
別に先生はそれが心外という感じでもなさそうで、そっちが好きという人が稀というわけでもなさそうだったのですが、本当はどう答えて欲しかったんだろう…
それとも単純に、最近は一般的にどういう世代、どういう層の人間にどういう音色がウケるのか知りたかっただけなのかな。

大勢多数の人に合わせるのがフツーの人間が社会を生き抜くコツですから、他人だったら、どっちを選ぶだろうというのをまず考え無いといけません。
それをうっかり忘れて、私ルールでもの言ったり、行動すると変人になります。
才能や権力ある人だけが我が道を行く権利、意見を言えるわけですから。
いつも思うのは、外国人や芸術系の大学出たような人は、そんなこと考えないんですよね。
皆さん、場合によっては根拠のない自信に満ち溢れています。
羨ましいです。

ぶっちゃけ、私は安い方の楽器の音色を好きと思うこともあるし、クリアでない音の方がいいと思うこともあります。
一般的に私はぼんやりした音の方が好きみたいなんですよね。
柔らかさや温もり、かわいらしさ、親しみやすさを感じるからです。
私の言う「かわいい」音っていう表現も、人によって受け取り方がまちまちで、本当に言葉って不便だと思います。