シンガポール三日目

シンガポール三日目は、コンクール当日。
皆、お化粧してステージ衣装を着ると、別人28号~
普段からおしゃれな人もいるけど、中国の女子大生はあまり派手に化粧とかしない子が多いから、本番で化粧をすると、皆、化けるわ、化けるわ、こんなに美人だったんだと驚きました(^^;
なんだ、皆、その気になれば、ちゃんと化粧できるのね(笑)
そして、日本で邦楽とかだと着物だけど、中国で民族楽器となると、誰もチャイナドレスや唐服着ないのよね。
ま、たまに、時代劇から抜け出てきたみたいな服装の子もいることはいるけど、少数派。
ピアノとかのコンクールのようにドレスが多数。
中高生は丈の短いドレス着る子も多いけど、大学生の女の子は大半が「それ、結婚式で来てもオカシクナイね」というようなロングドレス。身体にピッタリしたものより、結構フワフワしたロングドレスが多かったかな。
記念にと皆で写真の撮りあいっこしたけど、男性は楊琴のヒロシ君しかいなかったので、彼はモテモテでしたね。
彼と腕組んでみたりして「わ~結婚記念写真みたいだね」と女性陣は結構、ふざけていました(笑)
妹は青いレースのミニのドレスで、私は黒っぽいチャイナドレス(私の場合、チャイナドレスしか持ってないし、これが一番似合うんだよね)。

地べたに座って待っている図

辛かったのが、待合室とかないので、外で皆、地べたに座って待っていたこと。
琵琶や三弦の子は地べたに座り込んで、もくもくと自分の楽器を弱音モードでつま弾きながら、復習。
楊琴の子は、とりあえず床を叩いて復習。
更衣室とか待合室つくってくれればいいのに…せめて椅子くらい欲しかった。
皆、お手洗いで着替えました。

コンクール本番。
妹は伴奏を頼んでいた子が勘違いをしていて、午前中に会場に現れず、慌てて大学生のお姉さまに伴奏を頼んでしのいだものの…ぶっつけ本番だから、お姉さまだって譜面どおりのスピードでしか弾かず、いわゆる自分の思い通りに弾けなかったということで、終わってから半泣きでした。出発前に伴走者と合わせた時は、すげ~完璧と思っていただけに心残りだったのでしょうね。まぁ、別にミスったわけじゃないから、大丈夫でしょう。
問題は、ワタクシ…
途中で、自分の足が震えていることが分かりました。
マズイと思いながらも、平静を装って弾いている訳ですが、足が震えているということは多分、手も震えていたと思うのです(そこはよく分からない)
一番盛り上がらなければならないところで、最強の音量を出し損ねて、なんだかフニャララと流してしまい、ヤバいと思ったものの、そこは知らばっくれて弾き続けたけど、スローな曲だけに、ここで盛り上がらなかったら、どこも見せ場がないという…

ホテルに帰ってから、涙が止まらず、妹に慰められたのでした。
あぁ…恥ずかしい。

シンガポール二日目

シンガポール二日目はいよいよ芸術祭の会場へ。
短大みたいなところが会場だったのですが(名前忘れた)、そこで専門家の講義を聴き、講義終了時にコンクールの順番が書かれた札を頂きました。
講義の感想は、はっきり言って眠かった…
東北訛りの強い喋り方で、しかも、話しは全然面白くない。
皆も、何でわざわざシンガポールに来てまで、大陸人のしかもなまった中国語で面白くもない話を聴かなくてはならないのかと文句だらだら。
講義って、ほんと話の上手下手があって、いちおう音大の先生として教学経験は一流なんだろうけど、もっと人を楽しませる工夫をしてもらいたい…
私も話は下手だから人のこととやかく言えないのは重々承知しているけど、私は先生なんてしてないから、いいんだもんね。

そして、話が終わってコンクールの順番票を見たら、33人中の29番目でした。
普通、くじ引きで順序を決めるのだと思っていたら、このコンクールはもう勝手に決められていたようです。
どういう順番かと言うと、楊琴、琵琶、三弦をグループにして一つの部屋を割り当てられていて、エントリーする中高生の部、大学生の部、成人の部等は、全部一緒にまとめられていて、そして中高生から先に順番を割り振っていったようです。
そんなわけで、トシ先生(三弦)の学生である私と私の妹(実際は姉弟子だけど、私の年齢の半分も生きていないので、妹と呼んでいる(^^;)が最初と最後になってしまったのでした。私の後はグループ演奏なので、実質私が個人の最後で、妹は一番目と二番目が棄権したため、実質一番目。楊琴、琵琶は皆さん大学生なので、私達の真ん中です。
実は、この後、面白い事実が発覚。
別のグループの中阮のユンちゃんの票を見たら、43人中44番目ですと書いてある。
ヒロシ君が「お前、演奏前から、すでに終わってるな…選外じゃねーか」とからかうのもつかの間、別の子も「私のも43人中の46番目ですって書いてあるよ、ほら」という始末…
皆の顔に「ええかげんにせえよ」との文字が浮かんだのは言うまでもない。
どうやら、書き間違いのようです。
ちなみに、古筝はエントリーした人が多いらしく、古筝だけのグループにして、大きな部屋を使用したみたいです。
しかし…少なくとも私のグループには三弦を弾くのは、私と妹しかいないので、そもそも競争にならないね、という感じ。多分、別のグループにはまだ三弦の人がいると思うけど、結局、新しい三弦の友達はできなかった…くすん。

シンガポールから帰ってきました。

2日から昨日まで、うちの大学及びうちの大学の附属中の学生さんと一緒にシンガポールで開催されたある芸術祭のコンクールに参加してきました。
以下、お名前は、仮名です。

何しろ、一人20キロまでの荷物で、三弦専攻者は「三弦」も含めて20キロということになりますから、実質、13.5キロの荷物しか持てないことになります。
中阮専攻のユンちゃんが、中阮って何キロか計ったことないと心配して、私に三弦って何キロ?と聞くので6.5から7キロくらい(セミハードケースを含む)と答えてからは、安心していたのですが、実際に計ってみると、7.5キロでした。
う~ん、三弦は長いけど、重量は中阮に負けるんですね…
「すごいいい木を使った高い楽器なんでしょ」とユンちゃんに言ったら、「う~ん、そこそこ」との答えでした。

楊琴、古筝の子は手ぶら。
でも、羨ましいなというのは大間違いで、他人の楽器を借りて弾くというのは、ものすごいリスクをしょっているんですね。
古筝のミズキちゃんが言うには、「駒の立て方(順番)が違っていたので、こんなので弾けないわ、換えてよ」と抗議したらしいです。
楊琴のヒロシくんは「弦は錆びているし、駒が一つ欠けているし、こんなにボロイひどい楽器で弾けと言われたのは、生まれて初めて」だったそうです。
楊琴のルルちゃんは、前の子と同じ楊琴使って弾いたら、ずいぶん音程が狂っていて、頭にきたそうです。
楊琴は百本以上の弦が張られているので、調律に時間がかかるし、調律をきちんとしても、時間とともに狂い始めるので、プロの方のコンサートでも休み時間はいつも調律してますよね。
もちろん、別の琴に換えてもらったそうですが、こんなことなら自分の楽器を持ってこればよかったと嘆いていました。
(先生方に持ってこなくていいと言われて、皆、泣く泣くもってこなかっただけらしいです)

ちなみに、楊琴と琵琶と三弦は会場が同じグループとして扱われたので、私の前に2人の楊琴の子が弾くはずだったのに、やはり、こんなひどい状態で弾けないと抗議したようで、「君、繰り上がって先に弾いてくれないか」とスタッフさんに言われ、慌てて三弦を抱えて、部屋に入っていくはめになりました。

心の準備できてないつーの!
でも、ある意味、成績がよくなくても、楽器のせいにできる、トラブルのせいにできるというのは、いいのか、悪いのか…
(不謹慎ですね、ゴメンナサイ)