二胡LESSON122

私の悪い癖…それは、細かいことだけが気になってしようがないこと。
例えば、ある特定の音の雑音が気になって気になって仕方がなかったとします。
私程度の腕だったら、そうなってしまうのは仕方ないことでもあります。
ナナ先生もそれで、曲全体がぶっ壊れてしまうわけではないから、そんな些細なことは気にせず、もっと曲の表情に気を使え(技術的側面から見れば、弓の長さを、どこで、どのくらい使ってどのくらいの速度で引く(或いは推す)かという問題)とおっしゃいます。

分からない人には言い訳にしか聴こえないと思いますが…
それでもあえて説明すると、私、本当に他人にとってどうでもいい音がコワイのです。
この「コワイ」という表現ですが、失敗するのが「嫌」とか「恥ずかしい」そういうニュアンスではありません。
別の先生にもよく言われます。
「思いっきり弾くことの何がそんなにコワイのか?」
「間違っても、恥ずかしくっても、そんなことは、練習なんだし、成長過程なのだから、どうだっていいじゃないか」と。

子供の頃は冷蔵庫のモーターの音、水洗トイレの水の音、キッチンの水の音、雷の音、地震の音…、まぁ、水周り系、モーター系等は身の危険、とりわけ命と関わりのある音だからコワイんでしょうけどね。
(今は平気です、大人ですから原因が分かっていれば、何とも思いません)

それと同じくらい、変な音がコワイと言うか、生理的な恐怖を覚えます。
つまり、自分が再現したい音と実際に出る音のギャップが大きければ大きいほど、ビックリします(先生と同じようにやってるつもりでも、そうならない、なんでそうなってしまうのか理由が分からないから)。
音程にせよ、音色にせよ、自分で驚きますし、それが顔にも出るし、さらに機嫌も悪くなります。
プロのCD音源をヘッドフォンで聴いてたって、たまにやっぱり弦を引っ掛けた音とか、謎の音も入っていることがあるので、う~むとか思いますよ…
(予算や時間の都合で録り直せないとか、デジタル技術的にその音だけを消せないとか、あるいはそんな些細なことは気にせず、全体のノリが最高だったからそのままにしたってことでしょうね)

自分で自分の変な音にびっくりするということのほか、「先生に叱られる」ことが非常にコワいというのもあります。
どんなに温厚な先生からも、やっぱり、たまに「いらだち」というか「あせり」のような「気」を感じます。
子供の頃から、愚図でモノ覚えが悪いので、叱られてばっかりいたせいでしょうね。

付き合いの長い先生は、別に私が怠けていて下手くそなわけではなく、本当にどんくさいだけだということをご存じだし、あんまり叱るともっと自信なくすから控えめなんですよね。
それはそれで、私は大人なので、先生が会話の始めで何かを褒めてくださると、本気で褒めてくれたというより、「うーむ、次に続く注意事項を気にやまないように慰めてくれたんだろうな」と思います。
もしかして、そうでない場合もたまにはあるのかもしれませんが…。
逆にあんまり叱られないと、それはそれで、先生に見放されてるんだな…どうでもいいんだな、ぐすん、と思います。

先生方も、長く生き過ぎた大人の生徒って扱いにくいでしょうね。