お稽古ごとの先生日中比較

この手をご覧になれば、分かる人には分かると思いますが、古筝(日本語だとお琴と言った方が分かりやすいか…)を弾く手でございます。
手先につけているのは鼈甲の爪。
日本だったら、こんな感じのアメ色の鼈甲だと小さくても結構千円超えちゃいますけど、両手分8枚で日本円で千円切りますけどね。

古筝専攻のミズキちゃんにとりあえずちょっとだけ教えてもらいました。
やらなくてはならないことが多いので、筝はあくまで遊びとして、ちょっとだけかじりたいと思います。

さて、今更ながらですが、日中の先生比較(お稽古編)してみます。

私が中国人の先生に対してありがたいと思うのは、ホントきちんと叱ってくれることです。
こっちの方が年上だろうがなんだろうが、「あなたのため」といって、ビシッと怒ってくれます。

その点、日本人の先生は叱ってくれませんからね…
多分、今更叱っても、大人の習い事なんだし、大事なお客さんを逃がしちゃよくないし、大人は一生懸命育てても、どこまで上手くなれるか分かんないし、ってことなのかもしれませんね。
あるいは、生徒の方も習い事で叱られたくない、ゆっくりの上達でいいから、長く楽しくやりたいって人が多いのかな。

じゃ、何で中国人は叱ってくれるのか。
多分、まだ「大人のお稽古」がそこまで社会現象になっていないからなのか???
自分が習ってきたように教えているのだと思います。

次に中国の先生は身体で教えるのが好きかも。
今までに師事した中国の先生の手は、私、どの先生の手がどんなんだか、よく覚えています。
だって、場合によっては手をつかまれたり、こう言う感じだから触ってみろって言うんですよね。
中国人は普段から友人同士など、ボディタッチ多めだから、あんまり気にならないんでしょうね。
子ども相手だとこう言う感じになってしまうのかと思ってみたりしたけど、私、子どもの頃、ピアノやバイオリンの先生の手触ったりしたことないと思う。
今、例えば三味線の先生に、先生の手触っていいかと聞いたら、引かれるだろうなぁ。
セクハラで訴えられるか、変な勘違いされて破門???(笑)
実際、今日もミズキちゃんの腕や肩に触れると、ほんとよく脱力できているのが分かりました。
(触れって言うから、触ったんだよ~ もし私が男だったらミズキちゃんもここまでしてくれないのかな?)
でも男性の先生の場合は、異性の生徒相手に、これぐらいの「力加減」だということを、身体の差しさわりのない部分を押さえてくれたりしますけどね…
(え?セクハラかなぁ?)
私なんて中国三弦の師匠(男性)の手がいかに暖かいかよく知ってます。何かよく分からないけど、彼は体温高め。
(別に変な関係じゃなくて、うちの門下生は皆知ってることです…)
でも、私、日本の三味線の師匠又は兄弟子の手の暖かさなんて知りません。
手の大きさですら、そんなにマジマジ見せてもらったことないなぁ。

中国の先生は、メモ取らせるのが好き。
今回注意したことを生徒が忘れてしまって、次回も同じことやらかすと、このやろ~って思うのかもしれない。
確かに、録音したり書きとめないと、先生の言ってたこと忘れちゃいますよね。
私も外国人の日本語の作文を直してあげて、文法注意したのに、次回、また同じような言い回しで間違えた文章書いてくると「てめ~この間言ったこと覚えてないのか」と思います(笑)
間違った言い回しが癖になっているので、本来は厳しく言った方がその人のためにいいいのでしょうけど、もう言うのも面倒くさくなって、もう一度直してあげるだけだったりします。
多分、日本のお稽古の先生も、そう思ってしまうのかもしれないですよね。

ある意味、日本の習い事は、生徒のレベルがよほど高くならないと、師弟関係と言うよりビジネス関係でしかないからなのかなぁ。
その点、中国は「人間関係」がものを言う社会だから、熱心に教えてあげることで「うちの人間」にするっていう意識が強いのかもしれない…

3 thoughts on “お稽古ごとの先生日中比較

  1. それは日本での先生の当たりが悪かったのかもしれません、残念ながら。
    邦楽系は階級社会ですから、西洋音楽系とは また考え方が違うかもしれませんが。

    以前書いたかもしれませんが、
    大学の声楽のレッスンで男性の先生が女生徒に呼吸法を教える為に
    お腹をくっつけるようにして抱いて歌っていた事がありました。

    声楽のレッスンに伴奏でくっついていったら、
    レッスン中に突然 生徒のワンピースのベルトを無言で外し始めたので
    「ひぇー、先生 何をするつもりぃ!」と思っていたら
    おもむろに生徒に抱きついて歌い出し、
    一節歌ったところで「こういう風に呼吸をするんだ」と のたまわれ…。

    それが分かり易い方法なんだろうけど、先に説明してくれよ…、
    と思いました。
    生徒本人も初めてのレッスン法だったらしく、吃驚してました。
    説明の仕方って色々ありますよねー。

    家での練習仕方を見てくれる先生をつけるのも 上達の早道ですよ。
    練習にはツボがありますから。

  2. くるみさん、こんにちは~

    >>おもむろに生徒に抱きついて歌い出し、
    >>一節歌ったところで「こういう風に呼吸をするんだ」と のたまわれ…。
    ひぇ~これはびっくり。
    生徒が気が強くて、気の早いお嬢さんだったら、平手打ちっていうのもありだったかも。
    中国笛を習ったときに、お腹に手を当ててみろっていうのと似てますね。

    あ、今思ったんですが、私が日本の音大を出たような人だったら、もっと純粋に日中比較で来たんだろうなと。

    多分、っていうか…おそらく、私が教えてもらった日本の先生は「素人の趣味」のために教えてくれていて、私が教えてもらった中国の先生は、将来なれるかどうかはとりあえず置いといて、将来、人に教えることを生業にできるようにとの思いで教えてくれるからなのでしょう。

    そして、別の視点からだと、中国の場合は、演奏者や教育者を育てるという目的以外に、子どもに日本のように「教養として」ではなく「受験に有利」ということのために(一芸に秀でれば音楽に関係ない専攻の大学でも別枠があるから)、かなり無理させますからね(笑)。
    厳しいことを言ったくらいで、やめるわけもなく、むしろ感謝されるでしょうし。

    >>練習にはツボがありますから。

    そうなんだろうと思います。いちおう、中国の先生は練習の仕方を教えてくださいますが、それでも、現状こんなんだということは、実践できてないか、人並み以上にどんくさい、ということなのだろうと思います。

  3. 一度にコメントしなくてすみません。

    ふと思い出したけど、池田理代子さんの47歳の音大生(タイトルうろ覚え)という本に書いてありましたが、卒業して今、歌っている彼女だって、「君がここまでがんばるとは思ってなかった(すぐ辞めるだろう)」みたいなことを先生に言われたそうですよね。

    つまるところ、20歳過ぎて音楽やっても本気じゃない、どうせそのうち来なくなるから、それなりにと思うのかも。
    確かに大人は忙しいから、本気になりたくてもなれなかったり、やめざるを得ないことも多いでしょうし。

    じゃあ、何で中国人はそういうこと気にしないのか。
    多分、気にしてはいると思いますが、そこは人数の問題。
    中国人の先生にとって中国の生徒は腐るほどいますが、もし外国人だったら、わざわざ遠くから必死に勉強しに来ているのだから、って思うだろうし、自国の文化の海外輸出という夢がありますよね…

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